京町家のお話聞きに行ってきました。
こんにちは、日浦弘子です。
朝夕めっきり涼しくなってきましたね。
私の家の近くの賀茂川散歩コースを散歩する時には日が短くなったな・・と実感しています。
ところで本日は、社長と一緒に平成の京町家の勉強会に行って来ました。
京都大学の高田光雄先生の貴重なお話をお聞きすることができました。
色々考えさせられることがありました。
今の住宅事情では、なかなか難しいことなのかもしれませんが、
京町家は隣近所地域と繋がることにより、環境を共有して住むということを考えられていたとのことです。
間口いっぱいに建てられてはいるが、風を家の中を通しながらお隣にも風を流していく。
庭や坪庭の考え方もすべて風の通り道をいかに作るかという配慮から考えられていたり、
家の中に土間を作ることにより冷たい空気環境を作り夏の涼をとるための仕組みにしていたり・・。
京町家の知識としては少しは知っていたこともありましたが、今日はとてもよい勉強をさせていただきました。
一番驚いたのは、ケラバの話です。
ケラバというのは屋根の下がっていった先ではなく屋根の横の出のことを言いますが、この赤いライン状の印。
このケラバ、住宅の解体の時にはいつも難儀なところでした。
京都ではお隣のこのケラバが自分のところの敷地にはみ出していたり、
その逆だったり、建て替えの際は必ず敷地に合わせてカットして補修するということが起きていました。
私もこの問題が起きるたびにお隣に説明に行きご理解いただくということをしていました。
なんでこんなに人の敷地にかぶせるようにケラバが作られているのかなあといつも疑問に思っていました。
しかし、京の高田先生のお話で、「ケラバ重ね」という考え方で作られているということを今日初めて知りました。
京町家には、お互いの敷地いっぱいに建物を建ててお互いの建物を雨風からケラバで守りあうという連担のルールがあったのだそうです。
実は・・・イケズやなと思うこともあった私。京都の人たちの優しさを感じたのでした。
そこに住むということは、隣近所の人とともに暮らすということです。
風を共有し建物の保護も共有する・・・この素晴らしい思いやりの文化を思い知ったのでした。
いい勉強させていただきました。ありがとうございました。