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2011年11月11日

建もの探訪☆その2 『聴竹居』


こんにちは。受付の石田です女性
昭和初期の建築家・藤井厚二が、
「真に日本の気候・風土にあった日本人の身体に適した住宅」を
追究し設計、自邸として家族と暮らしていた実験住宅『聴竹居』。
JR山崎駅をおりて徒歩15分ほどの丘の上に当時のまま残されており、
先日、案内していただく機会がありました。(予約制で見学できます☆)
今でこそ「環境共生住宅」「エコ住宅」という言葉や概念は
あたりまえのように耳にしますが、
80年以上も前に、(それもかなりストイックに)
自邸を使って追究された建築家がいらっしゃったことを知り感動。
藤井先生は、京都大学建築学の教授でしたが、
その豊富な知見と研究心、
そして何ごとにも「凝り性」の人だったという人柄、
それと何より資金や土地に恵まれた環境で(←ここが真似できません)
ご自分の家を次々と実験的に建て、
『聴竹居』はその集大成といえる第5回目の自邸なのだそうです。
昭和初期なので、
もちろん優れた断熱材や換気システムがあるわけではなく、
いわば設計力のみで、湿気・通風対策を完璧に施しています。
何しろ藤井先生は環境工学がご専門。
しかも日本人の感性を大切にしたデザイン性にもこだわり、
住宅内の照明や椅子なども自ら設計されています。
住宅内の写真撮影は、主に研究目的のみ可ということで
ここでの紹介はさし控えますが、
でも、実際のところ写真を見るだけでは十分に良さが分かりません。
実際、その部屋に自分が立って説明を聞くと
「おぉ!」と感動します。かなり奥が深いです。
特に目線の高さ、立ち位置からの周囲の見え方等
繊細な心配りと計算があり、
各部屋、「理論的な意味」のもと設計されているので、
随所随所に解説がかなり必要となります。
その解説を聞いていると、藤井先生の頭の中を覗いているようで、
あまりの緻密さに、途中で「参りました」と勝手に降参し、
ついていけなくなります・・。
有名な一面ガラス窓のサンルーム(横から撮影)

最上段のガラスがすりガラスになっているのは、
サンルームの椅子に座っている時、庇が見えないようにする視覚的配慮。
一方で、今回見学させていただいて残念に思ったこと・・・
それは、この住宅の保存状態が良くないということ。
今回それを目の当たりにし、とてももったいなく残念に思いました。
建物を保存していくって大変なことなのですね。
修復されることなくそのまま残されているので、
設計は素晴らしくても、このままでは朽ちていく一方です・・・。
少し前から、「後世に残すべき」と有志の方々が
「文化財への指定を」という運動を活発にしているそうです。
現地にあった署名運動のノートにも全国からのお名前が
びっしり残されていました。(もちろん私も署名してきました)
今回もその有志の方がボランティアで
住宅内の解説をとても詳しくしてくださいました。
あともう一つ感じたこと。
『聴竹居』は広大な土地に建てられた「平屋」の木造住宅です。
資金もあり、知識もあった藤井先生が存分に思いを発揮できたわけですが、
現在の一般的な住宅市場には当てはまりません・・・。
京都は、むしろ狭小間口が多く、
景観を守るための条例など規制も厳しい土地。
それでいて夏蒸し暑く冬の底冷えが厳しい風土ときています。
その難問をクリアしながら、
お客様の暮らしの心地良さを追究しなければなりません。
限られた制約の中で力を発揮している石田工務店スタッフの方が
すごいのでは?なんて思ったりしたのでした。
お疲れ様です☆
by yumiko

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