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2013年11月12日

夢の実現


こんにちは。受付の石田です女性
教師経験がある人にとって、
一番最初に担任したクラスや生徒は特に印象に残るものだと思うのですが、
私の場合も、ずっと心に残っている「最初の生徒たち」がいます。
私が社会人一年目に調理師を養成する専門学校で初めて
副担任として一年間受け持ったクラスの生徒たちです。
その時のクラス委員長として、新米教師を影ながら助けてくれたのがN君。
N君といっても私より年上。
彼は30歳を目前にして会社を辞め、料理の世界に入るために
専門学校に入りなおしたという異色の社会人学生。
当然料理と向き合う真剣さが他の学生さんとは全く違いました。
今考えても、かなりの覚悟を持っていたと思います。
自分の夢を誠実に追う彼の真剣な姿には
逆にいろんなことを教わりました。
卒業後彼はイタリア料理の道を極めるべく単身イタリアへ。
イタリアでの料理修業は8年半にもおよびますが、
帰国後も腕を磨き続け、このほどついに、
「自分の店をオープンしました」という知らせが届きました。
脱サラ直後の彼の努力と口には出さない焦燥感を間近で見ていたからこそ
一つの目標を達成した彼の偉業に感無量。
彼の地元、滋賀県草津市にオープンしたイタリア料理店「クラテリーノ」
お客さんとして早速行ってきました。
店内はイタリアの雰囲気一色。まさにトラットリア。

お店の強みは生ハムと生パスタだそう。
このお店のロゴマークに象徴されています。

知らない人には「手榴弾?」と言われてしまうそうですが、
熟成中のイタリア生ハム(クラテッロ)をデザインしているのだそうです。

店内にもいくつか熟成中のものが下がっていました。
パルマハムは本来イタリアのパルマ地方の風土で育まれたものですが
彼は何と日本でそれを仕込み熟成、再現しようとしています。
よほどの知識と経験がないと挑戦できないことかもしれませんが
彼の夢は「自分の店を持つ」ことなのではなく、その先にある
イタリアの食文化を日本で再現して楽しんでもらうこと。
そういうお店があるからこそ、私たちは異国の食文化を身近に楽しむことができます。
昔と変わらない、純粋に挑戦し続ける姿にまた何かを教わりました。
仕込みは日本ですが原料にはパルマハム用のイタリア豚を仕入れているそうです。
ハムは使う部位別に呼び方が違います。
(奥様が描かれたこの絵が分かりやすかったです☆)

イタリア生ハムの王様といわれる「クラテッロ」は
豚の「内モモ肉」を使っているのだそう。
今回、別の部位「外モモ肉」や「ばら肉」を熟成させたものを
少しずつ食べ比べさせてもらいました。

右上の一番赤みが強い生ハムが彼が再現した「クラテッロ」
確かに一番旨味と甘味が強くて美味しかったです。
熟成させることでじっくりと水分を抜き旨味を凝縮させる技法は
日本の「かつお節」と似ています。
実際料理の「だし」として彼も生ハムの旨味を使っているそう。
ランチの最初に出されたイタリア産インゲンのスープ

インゲンなのに深みのある味が出せているのは
かくし味として生ハムの旨味が入っているからなのだと後で教えてもらいました。
前菜

これが私にとっては一番N君らしい料理。
学生の時にも彼の創作料理をいくつか試食させてもらったので懐かしいのです。
そして「ランチ」ではあまり見られない生パスタ。

↑ハムの色が発色剤を使っていない自然色。さすが自家製です。

手打ちパスタならではの食感を
チーズクリームタイプとトマトソースタイプでいただきました。
その他、デザートもパンもすべて自家製。
写真撮り忘れてしまったのですがジェラートがとても美味しかったです。
料理はすべてN君一人でこなしているので
仕込みにとても時間をかけているそう。
何がうけるかとか何が流行るかという視点ではなく、
純粋に自分が良いと思うものを追求しているところが昔と変わってないです。
パワーアップしたN君ワールド。
「まだスタートラインにも立てていません」と
相変わらず冷静に見据えていますが、
昔より断然いい顔になっておられます。
Congratulazioni sincere !!

by yumiko

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