2013年12月28日

良いお年をお迎えください

仕事納めはお客様感謝祭の餅つき大会でした。
たくさんのお施主様がご参加くださいました。
協力業者の皆様もご参加くださり盛況に終わることができました。





今年も多くの皆様にお世話になりひとつひとつの仕事を終わらせることができました。
来年も皆様の暮らしをお手伝いできる家のコトでがんばってまいります。
年末年始のお休みは12月29日から1月5日までとさせていただきます。
皆様良いお年をお迎えください。
日浦弘子

2013年12月15日

舞妓さん (其ノ十五)


こんにちは。受付の石田です女性
今年も残すところ後わずかですね。
先日、宮川町の弥ゑ美さんに
再びお会いする機会をいただきました。
以前すっかりファンになってしまった
弥ゑ美さんの美しい踊りを
今年最後にまた間近で見せていただき感謝です。

お点前も拝見。

12月、かんざしは南座の「まねき」看板ですね☆

現在公演中、京都南座の吉例顔見世興行。

今年は
市川猿翁さん、市川猿之助さん、市川中車さんの
トリプル襲名披露も兼ねています。

また、今年ドラマで活躍された
片岡愛之助さんも出演されているので
香川照之(市川中車)さんとの半沢コンビで
別の意味でも注目度の高い舞台のようです。
舞妓さんはご自分のかんざしの「まねき」に
贔屓の役者さんから直接
名前を書き入れてもらえます。
弥ゑ美さんのまねきには
猿之助さんと中車さん☆

直筆サイン。
うらやましいです。
でも、役者さんにとっても
舞妓さんのかんざしに名前を飾れるのは
とても嬉しいことだと思います。
伝統文化を守っている方どうしの特権ですね。

by yumiko

2013年12月2日

天のしずく


こんにちは。受付の石田です女性
昨年、京都でのロードショーを見逃してしまった
辰巳芳子さんのドキュメンタリー映画『天のしずく』。
ようやくディスク発売になり、
先日予約していたBDが手元に届きました。

優しさを感じるデザインのパッケージ。(レシピ本付き)

にわかに注目されている「和食」プロジェクトとはまた少し違う視点で
「食の尊さ」をしみじみと考えさせられる作品です。

「とても真似できません・・」と思ってしまう辰巳さんの暮らしですが、
でもやっぱり憧れ。

ケース内側は先生の素敵な自邸の写真でした☆
料理の先生というだけではなくて、
人生の大先輩としての珠玉のメッセージがたくさん込められていて
それが心に響きながら、
人生にとって大切なものが何か、
静かに考えさせられる作品です。
by yumiko

2013年11月12日

夢の実現


こんにちは。受付の石田です女性
教師経験がある人にとって、
一番最初に担任したクラスや生徒は特に印象に残るものだと思うのですが、
私の場合も、ずっと心に残っている「最初の生徒たち」がいます。
私が社会人一年目に調理師を養成する専門学校で初めて
副担任として一年間受け持ったクラスの生徒たちです。
その時のクラス委員長として、新米教師を影ながら助けてくれたのがN君。
N君といっても私より年上。
彼は30歳を目前にして会社を辞め、料理の世界に入るために
専門学校に入りなおしたという異色の社会人学生。
当然料理と向き合う真剣さが他の学生さんとは全く違いました。
今考えても、かなりの覚悟を持っていたと思います。
自分の夢を誠実に追う彼の真剣な姿には
逆にいろんなことを教わりました。
卒業後彼はイタリア料理の道を極めるべく単身イタリアへ。
イタリアでの料理修業は8年半にもおよびますが、
帰国後も腕を磨き続け、このほどついに、
「自分の店をオープンしました」という知らせが届きました。
脱サラ直後の彼の努力と口には出さない焦燥感を間近で見ていたからこそ
一つの目標を達成した彼の偉業に感無量。
彼の地元、滋賀県草津市にオープンしたイタリア料理店「クラテリーノ」
お客さんとして早速行ってきました。
店内はイタリアの雰囲気一色。まさにトラットリア。

お店の強みは生ハムと生パスタだそう。
このお店のロゴマークに象徴されています。

知らない人には「手榴弾?」と言われてしまうそうですが、
熟成中のイタリア生ハム(クラテッロ)をデザインしているのだそうです。

店内にもいくつか熟成中のものが下がっていました。
パルマハムは本来イタリアのパルマ地方の風土で育まれたものですが
彼は何と日本でそれを仕込み熟成、再現しようとしています。
よほどの知識と経験がないと挑戦できないことかもしれませんが
彼の夢は「自分の店を持つ」ことなのではなく、その先にある
イタリアの食文化を日本で再現して楽しんでもらうこと。
そういうお店があるからこそ、私たちは異国の食文化を身近に楽しむことができます。
昔と変わらない、純粋に挑戦し続ける姿にまた何かを教わりました。
仕込みは日本ですが原料にはパルマハム用のイタリア豚を仕入れているそうです。
ハムは使う部位別に呼び方が違います。
(奥様が描かれたこの絵が分かりやすかったです☆)

イタリア生ハムの王様といわれる「クラテッロ」は
豚の「内モモ肉」を使っているのだそう。
今回、別の部位「外モモ肉」や「ばら肉」を熟成させたものを
少しずつ食べ比べさせてもらいました。

右上の一番赤みが強い生ハムが彼が再現した「クラテッロ」
確かに一番旨味と甘味が強くて美味しかったです。
熟成させることでじっくりと水分を抜き旨味を凝縮させる技法は
日本の「かつお節」と似ています。
実際料理の「だし」として彼も生ハムの旨味を使っているそう。
ランチの最初に出されたイタリア産インゲンのスープ

インゲンなのに深みのある味が出せているのは
かくし味として生ハムの旨味が入っているからなのだと後で教えてもらいました。
前菜

これが私にとっては一番N君らしい料理。
学生の時にも彼の創作料理をいくつか試食させてもらったので懐かしいのです。
そして「ランチ」ではあまり見られない生パスタ。

↑ハムの色が発色剤を使っていない自然色。さすが自家製です。

手打ちパスタならではの食感を
チーズクリームタイプとトマトソースタイプでいただきました。
その他、デザートもパンもすべて自家製。
写真撮り忘れてしまったのですがジェラートがとても美味しかったです。
料理はすべてN君一人でこなしているので
仕込みにとても時間をかけているそう。
何がうけるかとか何が流行るかという視点ではなく、
純粋に自分が良いと思うものを追求しているところが昔と変わってないです。
パワーアップしたN君ワールド。
「まだスタートラインにも立てていません」と
相変わらず冷静に見据えていますが、
昔より断然いい顔になっておられます。
Congratulazioni sincere !!

by yumiko

2013年10月21日

舞妓さん (其ノ十四)


こんにちは。受付の石田です女性
朝晩が肌寒くなりました。
我が家のキンモクセイ、今年は今やっとつぼみ。
年々開花が遅くなっているような気がするのですが、
この時期爽やかな香りが楽しみです。
先日、舞妓さんになってまだ一年未満という
とても初々しいお二人にお会いさせていただきました。

左:とし智さん  右:ふく兆さん
宮川町の可愛らしい新人舞妓さん。
一年目の舞妓さんらしく、髪飾りや衣装がとても華やか。
10月のかんざしは「菊」だそうですが、
小菊がまるで桜のように見えました。
一年目は口紅を下唇にしかさしませんので
衣装とは逆にお化粧はやや控え目です。
ふく兆さんは舞妓さんになってまもなく一年、
とし智さんはまだ半年だそう。
16歳。どこかあどけなさも残る
ほんとうに可愛らしいお二人でした。

一年目の舞妓さんにしか見られない髪型「割れしのぶ」
後ろから見ても愛らしい形。舞妓さんは地毛で結っています。

蝶のような鹿の子留めも可愛くて素敵。本物の真珠だそう。
本物といえば、舞妓さんの帯留め「ぽっちり」も。

それぞれの置屋さんに伝わる家宝ともいわれるだけあって
高価な宝飾が目を引きました。
本物をまとうことで、
それに見合うべく中身を磨こうとする意気込みも
おのずと生まれてくるのかもしれませんね。

身に付けているものだったり、
一生懸命お稽古して身につける芸事だったり
いろんな意味で伝統文化の継承に貢献している方たちが
舞妓さんなのだと思います☆

by yumiko

2013年10月9日

和ろうそく


こんにちは。受付の石田です女性
秋の夜長、キャンドルライトの暖かで幻想的な明かりが
しっくりとくる季節です。
先日「和ろうそく」専門のお店に初めて行ってきました。

絵付けされた「手描きろうそく」は京友禅を思わせる華やかさで素敵です。
一般的な西洋ローソクとは材料も構造も異なり、
すべてが純粋な植物性の自然素材。そして一本一本が手作り。
価格が高くなるのも無理ありません。
需要が減少しても、伝統を守ってくださっている方がいらっしゃるのですね。
さて今回、この「手描きろうそく」の絵付けに娘とチャレンジさせていただきました☆
久しぶりの絵の具(アクリル)。しかも曲面。
イメージ通りに描くのは難しかったのですが、
「芸術の秋」らしい体験をさせていただきました。
目の前に置かれた純白の和ろうそく。
この表面に好きな絵を描き入れます。

私の場合、「白」を引き立たせようと
真紅の「椿」を描いてみました。

曲面に絵筆を入れることの難しさを実感。
(線がゆがみます)
一方娘の場合。

いろんな意味で馴染みのある
「すみれ」の花にしていました☆

水玉を入れるあたりが少女チック。
それにしても二人とも見事に「秋」を無視した作品です。
和ろうそくの最大の特徴はこの太い芯。

和紙の回りにイグサの髄をらせん状に巻きつけて
太い芯に仕上げているのだそうです。
ちなみに一般的な西洋ローソクは糸芯。

和ろうそくの太芯は燃え進んでも炭化したまま残るので
途中で芯切りをして炎の大きさを調整することが必要なのだそう。

寄席で最後に高座に上がる落語家さんを
「真打ち」と言いますが、
最後の人がろうそくの芯を打つ(火を消す)ことが
その語源となっていることも今回初めて知りました。
使うのがもったいない今回の手描きろうそくですが、
ご先祖様に慶び事の報告をする時や、
夏場お花が傷みやすい時期に生花の代わりのお供えとして
など粋な使い方も教えていただき参考になりました。
芸術の秋、
今月はローソクの出番が多くなりそうですね☆

by yumiko

2013年9月12日

舞妓さん (其ノ十三)


こんにちは。受付の石田です女性
先日、舞妓さんの踊りの舞台を観賞させていただきました。
踊り手は
今年の初釜でもお会いさせていただいたことがある
宮川町の弥ゑ美さん。
とってもかわいらしい優しいお顔立ちの方で、
「いつまでも舞妓さんでいてほしい」と思ってしまうような方です。

↑かんざし、お着物とも「萩と桔梗」
 秋ですね。
演目も今月の中秋の名月にちなみ
一演目は「うさぎ」でした。

舞妓さんしか踊らない演目だそうで、
今回初めて鑑賞。
途中ほんとにうさぎのポーズがあってかわいかったです。
実は弥ゑ美さんはベテランの舞妓さん。
踊り(若柳流)の上手さはおそらく誰もが認めるところで
かわいらしいお顔から想像できないような
手の先までしなやかで艶やかな動きにびっくりします。
素人目で見てもレベルの高さが分かりました。
日々のお稽古もさることながら
素質がおありなんだろうなぁと思います。
舞妓さんの名刺代わり、千社札。
二種類の千社札を弥ゑ美さんからいただきました。

うちわ型、初めてです。かわいい。
舞妓さんからいただいた千社札は
お財布に入れておくと「お金が舞い込(舞妓)む」
とのことで縁起が良いとされているそうなのですが、
何だかもったいなくて入れられないです・・
by yumiko

2013年8月31日

零戦


こんにちは。受付の石田です女性
この夏公開された宮崎駿監督の映画 『風立ちぬ』
そして百田尚樹原作のミリオンセラー小説で
今年12月に映画公開される 『永遠の0』
視点は異なりますが今年「零戦」に関連する話題作が続いています。
戦闘機「零戦」が太平洋戦争末期、
「特攻機」として背負った過酷な使命は誰もが知る痛ましい史実。
目をそむけたくなる過去ですが、
当時の自分たちの国の姿として
知っておかなければならない真実でもあります。
この夏、良い機会と思い
『永遠の0』を読み終えたばかりの中2の娘を
鹿児島県の「知覧特攻平和会館」へ初めて連れて行きました。


ここは全国的にも知られる特攻基地跡。
多くの若者が遺書を残し「必死」の覚悟で出撃した地です。
現在も毎年慰霊祭が行われています。
2007年に公開された映画
『俺は、君のためにこそ死ににいく』(石原慎太郎脚本)

ここ知覧特攻基地を舞台にした映画でしたが
撮影に使われた戦闘機「隼」の実寸大模型も見られました。

敷地内には
半地下壕になった特攻隊員の宿舎
「三角兵舎」が復元されています。


各地から集まった特攻隊員が
ここに滞在するのは2、3日だったそうです。
すでに覚悟を決めている隊員たちは
ここで別れの手紙を書き、最後の夜を過ごすのです。
彼らが残した最後の手紙は
こちらの平和会館の中に多数展示されています。

当時20歳前後の若い隊員たちが最後に書いた手紙は
ほとんどが母親あてのものでした。
これは涙無しに見ることができません。
私は昔一度ここを訪れているのですが、
今回再び娘を連れて訪れてみて、
残された母親の気持ちが身にしみて胸がつまる思いでした。
戦争のむなしさを痛いほど感じます。
もう一つ、前回訪れた時は気にとめなかったのですが、
平和会館の正面入口の近くにあるこの木。

美しい形の飛行機が優雅に空を飛んでいるようで
目を奪われました。
宮崎駿さんの『風立ちぬ』を観たせいか、
零戦設計者、堀越二郎さんが夢見た美しい飛行機と
妙に重ねて見てしまうのです。(サバの骨のような美しい曲線)
実は平和会館内に展示されている実際の「零戦」は
海底から引き揚げられたままのボロボロの姿です。
(一機も戻らなかった零戦の運命を象徴)
だから、この美しく完璧な形の飛行機を
戦闘機ではなく、思いがけず植物という姿で見ると
少し心が癒されました。(イヌマキという常緑針葉樹だそうです)

これだけの形を長年保つための剪定大変そうですが、
残された人たちの使命感も伝わってくるようでした。
今ある世界中の戦闘機が
一瞬でこのような美しい木に化けてしまえばいいのに・・と
子供のように願ってみたりするのです。
by yumiko

2013年8月11日

舞妓さん (其ノ十二)


こんにちは。受付の石田です女性
猛暑お見舞い申し上げます。
舞妓さんではないのですが
上七軒で人気の芸妓さん勝瑠(かつる)さん。
先日お呼ばれした宴席におみえになったのですが
噂どおりの美しさで、この酷暑の中、
終始全く暑さを感じさせない姿に脱帽でした。

私たちより何倍も厚着のはずなのに汗ひとつ流さず
その立ち居振る舞いはどこから見ても涼しげ。
思わずその秘訣をお尋ねしてみたら、
「この格好になると気持ちがシャンとしますねん」・・と。
つまり気持ちで暑さを克服しているのですね。
見習わなければ。
日舞も涼しげに団扇を使った「夏は蛍」を披露してくださいました。

花柳流です。

涼を呼ぶ、さながら風鈴のよう。
舞妓さん芸妓さんは宴席の華。
暑い時こそ徹底した涼やかな振る舞いに
日本ならではの繊細なおもてなし文化を感じました。
こういう文化を守ってくださっている方々に感謝。
でも実際は京都の花街に京都出身の方は少ないそうで
複雑ですね・・。
勝瑠さんも関東ご出身だそうですが、
最初は言葉に苦労されたそう。
(勝瑠さんは以前ご紹介したことがある勝也さんに憧れて
この世界に入られた方です。)
現在多くの舞妓さんがそうであるように、
他府県から「舞妓さん」に憧れて花街に入り、
言葉の壁を乗り越えて素敵なレディに変身していくストーリー、
実際に来年映画で公開されるそうですね。
その名も『舞妓はレディ』(京都版マイフェアレディですね)
『Shall we ダンス?』の周防正行監督の久しぶりの新作だそうです。
この映画で舞妓を目指す主役に大抜擢された
鹿児島出身の上白石萌音さん、
勝也さんや勝瑠さんを輩出した上七軒の置屋さんで
舞妓になるための「仕込みさん」を
泊まり込みで体験学習されたのだそうです。
映画で登場する架空の花街名が「下八軒」となっているあたり
コメディ感漂っていますが、(『舞妓Haaaan!!!』では夢川町でしたね)
周防監督が描く舞妓像や京都像、
どんな風に表現されるのか今から楽しみです。
来秋公開予定だそうです。
それにしても舞妓時代からさらに経験を積んだ芸妓さんには
見習いたいところがたくさん。仕事とはいえ、
場をなごませる話題づくり、
大人だけでなく子供を飽きさせない気配り、
この上品さを保ったままこなしておられました・・。

酒席の殿方でなくても惚れ惚れしてしまいます。
さすがですね。
おそれいりました。
by yumiko

2013年7月16日

瓢亭に学ぶ


こんにちは。受付の石田です女性
左京区、南禅寺門前の老舗料亭「瓢亭」
このほど14代当主、高橋英一さんの「京料理」が
京都府指定の無形文化財に認定されました。
「和食」のユネスコ無形文化遺産登録が期待される中での
喜ばしいニュースでしたが、
地元で守るべき文化財をぜひ一度見ておかなければ!
と大先輩よりお誘いを受け、
この度、あこがれの瓢亭さんへ初めて行くことができました。

創業400年。
風になびく小旗や、土間の床几が
創業時の面影をしのばせています。


当主英一さんは、茶道に精通しておられる方で、
今回の京都府の無形文化財指定においても、
料理だけでなく、茶道の知識を背景としたしつらえの空間等も
対象に含まれているそうです。
初めて入る、垣根の内側。
玄関から食事の部屋へは
延段伝いに庭を進んでいく形ですが、
足を踏み入れると一瞬で侘びの世界。

まさに茶人好みの風情です。苔がきれい。
庭内の「涼」をひきたたせていたせせらぎ。

隣の無鄰庵からそそぎ込んでいる疏水だそうです。
広間も茶家らしいしつらえでした。
床には英一さん自らが育てておられるという茶花が。
(英一さんは茶花の先生としても有名)

今回びっくりしたのは一人用の掘りごたつです。
楽に足をおろしての懐石料理。
畳に違和感なく造り付けられていました。

伝統の中に現代風おもてなしの心。
もはや文化財となった瓢亭の料理。
簡素にして季節の移り変わりを感得するという
文化財に相応しい徹底したこだわりが感じられ
料理が進むにつれ、自分自身の感性も研ぎ澄まされて、
いかに日常を雑に過ごし自分の感性を鈍らせてしまっているか
身にしみて気付かされた時間でした。
お料理を少しご紹介。
向付

明石鯛のへぎ造り。
瓢亭さんで最初に出されるお造りは
季節を問わず、雑味のない明石の鯛一品と決まっているそうです。
鯛のうま味が最大限に引き出されていて
正直な話、これまでの人生で一番美味しい鯛でした。
煮物椀

京都の夏の代名詞、鱧。
和食の場合、煮物などはすぐ「だし」の味を
イメージしてしまうのですが、
瓢亭さんではあくまでも
旬の食材そのものの味を引き出すことに
徹底しておられるので、
だしに使うのは基本の「かつお節」ではなく「まぐろ節」。
酸味が強くやや自己主張のあるかつお節のだしに比べて、
まぐろ節のだしはもの足りないくらいまろやか。
でもだからこそ料理が進むにつれ、
旬の食材の味を味わおうとする、
忘れかけていた感性が呼びさまされました。
「だし」の味ではなく「素材」の味。
「調味料」の味ではなく「素材」の味。
食材への愛情がものすごく伝わってきました。
八寸

名物「瓢亭玉子」はここで登場。
焼物

こちらも夏の代名詞、鮎。
炊き合せ

賀茂茄子とえび、万願寺のたたき
あと感動したのは
料理の最後に御飯とともに出された
「赤だし」

すまし汁のように澄んでいました。
なんとだしに味噌をといてから
一度布でこしているのだそうです。
味噌のザラザラ感が一切なく、
さらに「まぐろ節」の控え目な赤味噌だしが、
具材の小茄子と湯葉という淡白な食材の味を
ひきたてていました。
そもそも四季の移ろいを五感で楽しむことが
日本人の繊細な感性を育んできたのに、
自分自身、その感性が鈍っていることに気付かされた
貴重な体験となりました。
最近、天然のだしより化学調味料の方が美味しいと
感じる子供が増えているということを耳にします。
「旬」を大事にしてきた和食が
今後「無形文化遺産」として世界に認められると、
日本人としてうかうかしていられないですね・・。
by yumiko