2012年5月3日
新緑の史跡散策
我が社が位置する京都洛北には
有名な社寺・史跡が数多く点在するが、
それぞれに四季折々の楽しみがある。
今朝、洛北の代表的な名跡
『詩仙堂』から『曼殊院』へと足をのばして
美しい新緑を散策してきた。
まずは詩仙堂へ。
一見、見過ごしてしまいそうな小さな門をくぐると、
情緒ある石段や石壁の向こうに静かなたたずまいの建物がある。
江戸時代の文人(石川丈山)が晩年を過ごした山荘とあって、
簡素な建物でありながら凛とした個性的なたたずまいである。
一歩部屋に入ると、軒と柱と床で切り取られた庭の新緑が
目にぐっと迫ってくるようだった。
また、この庭から感じるのは立体感だ。
様々な植物に囲まれた複雑なこの庭を散策するのも面白い。
静寂に響くししおどし
日常の喧騒を忘れるひとときだ。
次に訪れた曼殊院。
こちらは桂離宮に通じる書院建築で、
雅びな雰囲気の門跡寺院だ。
庭園の霧島ツツジが見事だった。
手前の松は樹齢約四百年の五葉の松。
鶴をかたどっているらしい。
庭園には「鶴」や「亀」、「ふくろう」など
縁起の良い動物がずい所に見られるのがおもしろい。
夏の夜長、東山から登る月を映した手水鉢。
悠久の時が偲ばれる。
みずみずしい木々の緑から力強い生命力を受け取り、
心豊かにさせていただいた。