京都の秋
会社近くから見える左大文字
日に日に秋が深まり、
京都は本格的な観光シーズンを迎えている。
最近は海外からの観光客が急増し、
国際観光都市となってきた。
日本の四季の美しさを間近に感じながら
今日も仕事に励む。
大徳寺高桐院
堀川通りの銀杏並木
京都の秋は心をゆるくしてくれる。
会社近くから見える左大文字
日に日に秋が深まり、
京都は本格的な観光シーズンを迎えている。
最近は海外からの観光客が急増し、
国際観光都市となってきた。
日本の四季の美しさを間近に感じながら
今日も仕事に励む。
大徳寺高桐院
堀川通りの銀杏並木
京都の秋は心をゆるくしてくれる。
…オール・ディス・タイム/スティング
ライブ収録日: 2001年9月11日
グラミー賞の受賞歴も多い世界的ミュージシャン、スティング。
数あるヒットアルバムの中でも、
この時期、特別な思いで聴くのがこの一枚である。
このアルバムは、2001年の9月11日に行われたライブを収録している。
今から13年前、まさに同時多発テロが起こったその日である。
イタリア・トスカーナにあるスティングの家の中庭で
世界中から200人を招待して行われたライブ。
その直前に「同時多発テロ」のニュースが飛び込んだが、
聴衆の希望で中止は免れ、
スティングが急きょ一曲目に涙声で歌ったのが
「Fragile」( フラジャイル/1987発表)だった。
Fragile とは「もろさ」のこと。
この曲は、人の世の不条理や暴力の哀しさ、そして人がどれほど弱くもろい存在か
ということを切々と歌った彼の名作ナンバーだ。
暴力、テロ、戦争は今も治まらない。
世の中を見渡せば、悲しいこと不条理なことは今なお続く。
奇しくも今日、日本では
3.11東日本大震災から3年半の節目を迎えた。
人のはかなさ弱さをどこかで知りつつも、
前を向いてそれぞれが力強く生きていく。
フラジャイル歌詞ページより
生身のからだに鋼の刃が突き刺さり
流された血が夕陽に染まって乾いていく時
明日にでも雨が降れば血痕は洗い流される
だけどぼくらの心を襲ったものは
いつまでも消え去りはしない
いつまでもいつまでも雨は降り続けるだろう
まるで星が涙を流しているようだ
人というものがどれほどもろい存在か
ぼくらがどれほど儚い存在か
人がどれほどかよわいか
ぼくらがどれだけ儚いか
(フラジャイル和訳歌詞より抜粋)
歌舞伎など舞踊劇になくてはならない音曲の「常磐津節」
語りと唄の均衡がすばらしく、日本の重要無形文化財でもある。
門閥がものをいう伝統芸能の世界にあって
苦労して一代で常磐津節の芸を極め
人間国宝にまでなった人が「一巴太夫」さんであった。
親戚筋にあたる一巴太夫さんのことは
このブログでも過去に何回が紹介させていただいている。
【 正月の大阪松竹座(寿初春大歌舞伎)/師走の京都南座(吉例顔見世興行)】
今年83歳になってもなおその美声は衰えず、
先月(7月)大阪松竹座での「七月大歌舞伎」の一ヶ月公演を
無事に終えたばかりのあまりに突然の訃報だった。
次に控えた東京歌舞伎座での公演を楽しみにしておられたそうで
ご本人の無念さを思うと心が痛む。
通夜の席で最後まで仁左衛門さんが惜しむように
そばに居てくださったのが印象的だった。
会場に置かれていた一巴太夫さん愛用の唄本。
びっしりと書き込まれ、使い込まれた譜面から
芸を極めようとするその意気込みが今でも伝わってくる。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
昨日(8/3)は夏恒例の弊社イベント「大工とつくろう木工教室」を
弊社作業場にて開催した。
大工が作業している工場を一日使っていただき、
木造住宅づくりで出た端材で楽しく思い思いの作品を
作ってもらおうという企画である。
毎年好評で今年で11年目となる。
「木工教室」といっても、
木材選びから組立まで参加者の皆様がそれぞれ自主的にすすめる。
それぞれが作りたいものの完成に向けて設計図やイメージをもとに
真剣に制作に取り組まれ、会場全体がものづくりの熱気につつまれる。
大工はあくまでサポートだ。
小さいお子様が夢中になって大工道具を使っている姿はほほえましい。
親子が協力しながら一つのものを作り上げる。
家族のコミュニケーションづくりにも
お役に立っているのかもしれない。
そして、制作に夢中なお子様を優しく見守る親御さん方。
さて、今年も力作が勢揃いした。
その一部をご紹介。
椅子(背もたれに適度な角度をつけている精巧さ)
室外機カバー
スマートボール
ペット(愛猫)の餌置き
大人も子供も、「ものづくり」に夢中になった一日、
今年も大きな怪我なく無事に終了した。
自信作を手にした皆様の笑顔がとても印象的だった。
(御池通りを巡行する大船鉾)
四条新町を下がると、
組み立てられた「大船鉾」のまわりにたくさんの人が集まっていた。
150年振りに戻ってきたという。
真新しい白木の輝き。
通りから家のしつらえを眺められるのも、この祇園祭ならでは。
数日後、後祭巡行。
北観音山が目の前を通りぬけていく。
星模様の幻の絨毯が目の前にある。
南観音山
飛天奏楽のタペストリー
鯉山
タペストリーはBB ブリュッセルブラバンド(ベルギー製)の天竺織。
約400年前の織物。題材はトロイヤ戦争。
後祭の巡行最後を飾るのは
幕末以来約150年振りの復興を果たした「大船鉾」である。
前祭の船鉾が「出陣船鉾」と称されるのに対し、
大船鉾は「凱旋船鉾」といわれるらしい。
徐々に近づいてくる大船鉾。
屋根の銅板葺きが光り輝く。
大勢の人に見守られて歴史が続いていく。
列の最後を担うのは花傘巡行。
ミスきもの
宮川町
祇園甲部
鳥に扮した子供たちが可愛かった。
四条御旅所の三基の神輿。
7月24日の夜、氏子によって八坂神社まで担がれていくことになる。
京都の一カ月に及ぶ特別な夏が終わりに近づく。
場所は河原町御池。
時は7月17日。
祇園祭 山鉾巡行。
先頭の長刀鉾がやってくる。
長刀鉾には、
今から700年前の中国北西部モンゴル帝国の絨毯が飾られる。
釘を使わず縄で組み上げられた「動く美術館」が
次々と目の前を曲がっていく。
函谷鉾(かんこほこ)
鶏鉾(にわとりほこ)
鶏鉾にはトロイヤ戦争のタペストリーが飾られている。
蟷螂山(とうろうやま)
からくり細工のカマキリが動くたびに歓声が沸き上がる。
月鉾(つきほこ)
円山応挙の花鳥図や、ムガル王朝の絨毯が鉾を彩る。
月鉾の辻回し。
放下鉾(ほうかほこ)
前祭の最後を飾るのは
船鉾(ふねほこ)
船鉾の後ろ姿を見送る。
京都に住んでいても祇園祭の山鉾巡行をじっくり見る機会は意外と少ない。
京都の雅と歴史を感じる祭りを今年は十分に味わうことができた。
「折鶴」や「紙飛行機」など
昔から日本人に馴染みのある折り紙。
最近はその芸術的側面が再評価され
新しい折り方や利用法も次々と考案され人気だという。
実は私の母は自宅で教室を開くほどの折り紙好きである。
以前このブログでも紹介させていただいたが
毎年元旦、我が家で最初に使う箸は
きまって母オリジナルの箸袋におさめられているのである。
絵を描くことが好きな母は観察力が鋭い。
何か思いついたらそれを折り紙で形にしたくなるらしい。
常に「新作」を完成させている。
そんな母の作品が
先日NHKの地域(京都)のニュースで紹介された。
オリジナルの様々な箸置きがズラリ。
一点だけ添えてある箸袋は我が家で元旦に使った箸袋と同じである。
絵画や折り紙は年を重ねある程度筋力が落ちても続けられる趣味だ。
そのような趣味に没頭できる母が少々うらやましくもある。
今日も一体どんな折り紙をつくっているやら。
ものづくりには限界がない。
会社から大徳寺をぬけ、
鷹峯街道のゆるやかな登りを30分ほど歩いたところに
本阿弥光悦ゆかりの「光悦寺」がある。
先日、久しぶりに訪れた。
紅葉で有名な観光地であるが、新緑の頃のもみじも美しい。
自然と融合した造形美が光悦の世界へといざなう。
有名な「光悦垣」
竹垣のなだらかな弧を描いた曲線は地中に沈み込む。
空間に奥行を生み出す造形美にただただ感心する。
茶道への造詣が深く芸術分野に広くすぐれた才能を発揮した
本阿弥光悦は徳川家康からここ京都鷹峯の地を拝領し
一族や職人集団を集め理想郷としての芸術村をつくった。
没後は日蓮宗の寺となったが、
光悦寺境内には現在も七つの茶室が点在している。
借景の山々に建物が溶け込む。
点在する茶室をつなげる 山中のそよ風、うぐいすの鳴き声が心地よい。
少しだけゆっくりした時が流れている。
龍谷ミュージアム(京都市下京区堀川通正面下る/西本願寺前)
先日、龍谷ミュージアムにて開催されていた
『チベットの仏教世界』展に行ってきた。
仏教伝来の歴史的な奥深さを実感する
見ごたえのある展覧会だった。
ミュージアムの正面には
世界文化遺産の「西本願寺」がある。
この西本願寺に向き合う形で位置する龍谷ミュージアム。
この建物の特徴の一つは
強い西日を遮るセラミックの「すだれ」であろう。
夏の冷房負担を減らすと同時に
京都らしい景観をつくりあげたデザインはすばらしい。
龍谷ミュージアムは昨年、
京都市の「環境配慮建築物最優秀賞」を受賞したことでも知られている。
今回訪れてみて、
展覧会だけでなく建物自体もじっくりと見学することができた。
1階はガラス張り。
正面の堀川通りから一本東の油小路通りが見渡せ
通り抜けることができる。
1階から地階の中庭へ降りる。
低い天井が吹き抜けの解放感をいっそう引き立てる。
風が通り抜け、光を切り取る。
階段を上がると油小路通りだ。
ミュージアム裏手の油小路通りには
多くの仏具・法衣店が軒を連ねているが
その中にひときわ目をひく建物物がそびえているのが見える。
こちらは「西本願寺伝道院」
京都市指定有形文化財である。
入口の狛犬の頭部が一味違う。
(右奥に見えるのが龍谷ミュージアム)
歴史ある街、京都の散策はおもしろい。
三里塚教会/設計:吉村順三
(http://www.museum.kit.ac.jp/20140317.htmlより)
先日、
京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催されていた
建築家・吉村順三展に行ってきた。
吉村順三氏(1908〜1997年)は、
日本の木造文化のエッセンスを現代に活かしながら
木造住宅を中心とする設計活動を通して
居心地の良い、簡素で温かな生活空間をつくり続けた建築家である。
展覧会では
吉村先生が描いたスケッチや実測図などの資料も模型と共に展示されており、
建築家・吉村順三が木造建築でつくりあげようとした生活空間の姿を
今回じっくりと感じとることができた。
会場にさりげなく置かれていた休憩用の椅子
建築家コルビジェのデザイン。
さすが美術工芸資料館である。
椅子に腰掛けると目の前に美しい新緑。
自然と建造物が調和し落ち着く会場での展覧会だった。
芸術的感性に心地良く響くものに出会うと心が喜ぶ。
そんな清々しい思いがした休日だった。