2011年2月18日
至近距離の「国宝」
↑ 会社から北に100m、歩いて2分のところにある
大徳寺「龍光院」の茶室『密庵(みったん)』(国宝・非公開)
現在、「国宝」に指定されている茶室が全国にいくつあるかご存知だろうか。
わずか三つ。
それぞれ「待庵」、「如庵」、「密庵」といわれる名席。
そのうちの一つ「密庵」が、実は会社からわずか100mの距離にある。
残念ながら非公開・・・。
そのためか、あまり知られていないようだ。
残りの二つはご存知の方も多いだろう。
「待庵」は、千利休関係の解説本だったら必ずといっていいほど
登場する茶室。
広さたった二畳のスペースで、千利休のストイックさが凝縮された国宝の茶室。
京都大山崎に当時のまま残っている。(予約制で見学可能)
(写真は書籍『PenBooks茶の湯デザイン』より抜粋)
「如庵」は、織田信長の弟で大名茶人の織田有楽が建てたもの。
現在、京都市の建仁寺境内に忠実に復元され見学しやすくなっている。
「待庵」とは少し異なり、遊び心が感じられる茶室だ。
↑窓に竹を詰め打ちした「有楽窓」が有名
(写真は書籍『PenBooks茶の湯デザイン』より抜粋)
実は先日、この建仁寺に行ってきた。
数寄屋建築の第一人者中村昌生氏の監修で復元された
この「如庵」も見学することができた。
茶室にも当時の茶人の好みがでるが、
形式より創造性を楽しんでいる空間のような気がした。
「茶」の文化はまさに日本が誇る「総合芸術」。
仕事柄、建築の立場から見ると、
当時の茶人の「空間をプロデュースする」情熱のようなものには感服する。
温故知新。
古きに見る知恵を、現代にも生かせることは多いだろう。
伝統に磨き上げられたデザインを鑑賞するのも学びになりまた楽しくもある。