2011年2月10日

寒い日の散歩が気持ちいい住宅

日本の冬期における住宅の寝室の室内温度を調査したデータがあります。
ほとんどの住宅で、寝室の気温は5〜10度です。
日本の住宅では冬期、「人を暖める」採暖をして生活をしてきました。
下半身を暖める「コタツ」と、身体を直接暖めるハロゲンヒーターを
連想していただければと思います。
これは、日本以外の国での、部屋全体を暖める暖房とは違う方法です。
暖房器のある部屋は少し暖まりますが、それ以外の部屋は寒いままです。
冬の夜の寝室の気温を10度としましょう。
寝具内は30度くらいとなります。
ある程度の年齢になると、夜中一度はトイレに行く方が多くなります。
そして困ったことに、
廊下に出れば気温8度、トイレは5度・・・という具合になります。
20度以上の温度差が身体を震え上がらせます。
これがヒートショックです。
年間1万4千人がこのヒートショックで亡くなっています。
イギリスの過度な寒さのリスクのデータでは、
呼吸器障害や心疾患などの深刻なリスクが現れる気温を
「16度」としています。
16度よりはるかに低い気温5度では何があってもおかしくないのです。
健康にいられる住まいをつくるにはこのヒートショック対策を
しておかなければなりません。
自然との共生が叫ばれていますが、
だからといって年間を通してのキャンプ生活では人間の健康は保てません。
自然を楽しむためにはむしろ、人間の体を守るシェルター化が重要では。
外国で冬にご夫婦が散歩する風景をよく見かけるのは、
室内が暖かいから、開放的な気持ちになり、
外に出て散歩するのです。
日本は寒い部屋で縮こまっているので、
ますます外に出る気すら起こらなくなってしまいます。
どちらが健康的な生活であると思われますか。
寒い日でも健康的に体を動かしたいものですね。

2011年2月8日

クラシック


私は自宅でよくクラシック音楽を聴いている。
リラックスしたい時じっくりと耳を傾け曲に浸る時もあるが、
本を読むときもクラシック音楽をかける。
日本の音楽だとどうしてもその歌詞に意識がいってしまい
本の文字とガチンコしてしまうのだが、
クラシックの場合、「この本を読むからこの曲をかけよう」と
BGMに利用すると逆に集中できたりする。
さて、クラシックで一番大編成になるのがご存知「交響曲(シンフォニー)」。
作曲家にとっても大変な作業となる曲だろうが、
指揮者にとっても、その曲の良さをいかに引き出すか、腕の見せどころだろう。
実際、同じ曲でも指揮者によってその曲調は全く変わってくる。
私が現在一番好きな指揮者は、ブルーノ・ワルター氏。

亡くなる前の数年、アメリカでコロンビア交響楽団を指揮し、
数多くの曲をスタジオ録音してくださっている。
その中でも私のおすすめは、
ブラームス最後の交響曲第4番と、
ベートーベンの交響曲第6番(田園)。

ブルーノ・ワルター氏の「田園」はとてもみずみずしい気持ちにさせてくれる。
そしてブラームスの4番は泣かせますね。
指揮者の本領発揮というところでしょう。
やっぱり音楽っていいものですね。

2011年1月31日

会社の近くに


会社から歩いて約5分のところに、大徳寺山門「金毛閣」がある。
言わずと知れた、千利休の切腹のきっかけとなったあの門だ。
私が小学生の時、クラス全員が先生の引率でここに来て、
朱色に塗られたこの大きな門の絵を描いたことがある。
39年ほど前のことだ。
それよりさかのぼること約380年、1591年の話・・・。
(以下、山本兼一著『利休にたずねよ』<直木賞受賞> より抜粋)
 
  「何か差し障りでもございましょうか。」宗陳は不審げにたずねた。 
                         (宗陳は大徳寺の高僧です)
  「さよう。おおいに障りがござる。」三成は振り返って宗陳を見すえた。
                         (三成、つまり石田三成です)
  「何がお気に召しませぬ。」
  「何がどころではない。なぜこのような木像をここに置いたのか。
  この寺では釈迦牟尼の代わりに利休をありがたい本尊として崇めておるのか。」 
  
  宗陳は首を振った。
  「帝も関白殿下もお通りになる山門でござる。その上に、茶頭風情が
  草履を履いて立ち、 股の下をくぐらせるとは。不敬も甚だしい。
  寄進の功を讃えるなら棟礼ですむこと。 木造を飾るならなぜ控えて隅に置かぬ。」
この事件は知恵者、石田三成が仕組んだ企みともいわれてる。
正直、私の姓も「石田」だからあまり悪くは言いたくない・・・。
数年前の大河ドラマでは小栗旬がカッコ良く演じていた。
実は同じ大徳寺の境内に、石田三成の墓「三玄院」があるのをご存知だろうか。

また、豊臣秀吉が織田信長の葬をとりおこなった「総見院」も同じ境内に。

420年前にこの近くを千利休や石田三成、そして豊臣秀吉が歩いていたかと思うと
なんだかゾクゾクしてくる。

2011年1月27日

NNKよりPPK

我が国の医療費の総額は単調に増加し、約35兆円。
国民所得がバブル崩壊後減少し続けているのに対し増加の一途です。
医療の進歩はめざましく、
病気になっても薬や治療で、言葉は悪いかもしれませんが生きながらえさせてくれます。
しかし本当に私たちが望むことは、病気にならないこと。
NNKよりPPK。
ネンネンコロリよりピンピンコロリです。
元気で長生きし、幸せにコロッと逝くことができたら
医療費も抑えられることになります。
実は、健康維持のための大部分を「住環境」が担っています。
栄養、睡眠、休息(リラックス)を担う住環境は健康と直結していると言えるでしょう。
私たちが住むこの日本は、冬寒く、夏暑い気候。
さて、ここで質問。
不幸にも亡くなられる方は夏か冬、どちらが多いでしょうか。
答えは「冬」です。
冬の方が多いのです。
月ごとに比べると夏と冬では約2万人の差があります。
明らかに冬に多い死因は、循環器系と血管系の脳や心臓の病気です。
住宅内では部屋間の急激な温度変化である「コールドショック」により
年間約1万4千人の方が亡くなっています。うち浴室の溺死が4千人。
昨年の交通事故の死者数は4千数百人だったので、
いかにこの数が多いかが分かります。
何故これだけ多いか。
それは、
日本の住宅が寒いからです。
暖房をした部分、その時間しかその場所が暖まらず、まるごと外気温に
影響を受ける暮らしを私たちは当たり前だと思って生活してます。
日本以外の国では多くが室内温度を一定に保つ暖房ができる住宅に住んでいます。
(ちなみに日本は身体の一部を暖める採暖という方法で冬をしのいでいるのです)
不自由な生活から快適な生活へ。
不健康な生活から健康な生活へ。
皆様こんな生活から解放されませんか。
私たちは住まいが健康を育む最も大切なものであると確信しています。
NNKよりPPKの日本をめざします。

2011年1月20日

幸福度指数って何?

英国キャメロン首相は昨年11月25日、国民の生活満足度を計る
「幸福度指数」 導入の計画を発表しました。
EU諸国では、各国の国民の幸福感や住宅満足感などを発表していますが、
2009年のデータによると
1位はどこの国だと思いますか。
デンマークです。
10段階評価で、
幸福感8.3、住宅満足度8.5。
両方ともトップです。
ちなみに2位以下は、スウェーデン、フィンランド、オランダ、と続きます。
最下位24番目の国はブルガリアで、
幸福感5.8、住宅満足度6.0。両方とも最下位でした。
この評価をみていると、
住宅の満足感が高ければ、幸福感も高いことが読みとれます。
幸福とは切っても切れない関係にある住宅の満足感。
日本でも当てはまると思うのですが・・・いかがでしょうか。

2011年1月16日

素敵な一日

先日京都を車で走っていると、大変めずらしい光景を目にした。
それは、茅葺き屋根の大変きれいな建物。
新しい住宅に挟まれて建っていた。
場所は右京区鳴滝。
思わず車を降りて写真を撮らせてもらった。



京都市内、それも街中でこのような建物がしっかり残っているのを見て嬉しくなった。
その瞬間から、その日一日がとても素敵な日になったような気がした。

2011年1月13日

住宅の寿命とその理由

住宅の寿命(平均使用年数)のデータを国別にみると、
 イギリス・・・141年
 フランス・・・ 86年
 ドイツ・・・・・ 79年
それに対し、
 日本・・・・・ 26〜30年
住宅一棟の重さは80〜100t なので、
日本では毎年ものすごい量の解体物が発生していることになります。
日本の住宅が壊される理由は何でしょうか。
30年で自然と壊れる住宅は一棟もないはずです。
みんな人が壊しています。
その住宅に不満をもち、嫌気がさすのです。
原因は、音(騒音、ガタつき)、湿気(結露、カビ)、熱(寒さ、暑さ)、間取り、耐震性の不安 等々・・
住めれば良い時代から、豊かな暮らしが望まれる時代へ。
その変化の中で、住宅では音、湿気、熱が問題の中心となってきました。
より良い住宅に住みたいという熱き思いの結果、
日本の住宅が壊されていく現実がここにあります。

2011年1月7日

小さくつくって豊かに暮らす

日本の世帯家族人数、 平均2.55人/世帯 (2006年)
世界一家族人数が少ない国は、スウェーデンで、 1.98人/世帯
日本では毎年世帯家族人数が減少しています。
二人住まい以下の住宅が6割に近づいています。
その理由として、
少子化、離婚の増加、結婚しない男女の増加、高齢夫婦や単身高齢者住まいの増加
などがあげられるでしょう。
(私自身はこれは良いことではなく、何とか住まいづくりを通して歯止めがかけられないかと
思っています。)
そういえば、家をつくった方が失敗したと後悔することの一つに
「住宅が大きすぎた」
というものが急上昇で上がってきています。
大きければ掃除も大変だしランニングコストもかかる。
もちろん建築費用もかかります。
私が思うに、まさに
「小さく作って豊かに暮らす」
という住まいの時代に入ってきたのではないでしょうか。
豊かさが深く考えられた住まいってステキですよね。

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