2018年3月13日
本日完成しました
昨年秋より設計、今年1月より工事を始めた京町家耐震改修工事が完成しました。
京町家とは昭和25年11月22日以前に着工した伝統構法(木造でその当時の施工方法によるもの)でつくられた住宅のことです。
京都市から耐震改修費用の半額の補助を受けることができます。
ざっくり工事の内容を説明すると、家全体の強さのバランスを確認し、弱いと思われるところに、ほどほどの強さの壁を作っていきます。このほどほどの強さが大事です。
めいっぱい強い方がいいんじゃないのと普通思われるでしょうが、伝統工法の住宅は変形(ゆがむ)することで地震の力を吸収します。
植物の柳が風になびくように力を受け流すかのようです。そこに強い壁が付け加えられてしまうと今までの弱い壁に力が集中してかかり、骨組みが簡単に壊れてしまいます。
今回工事は居住しながら行われましたので、一ヵ所ずつ壁を作り直しながら工事を進めていきました。
壁を解体しました。
壁の中に下地を入れ塗り壁を固定します。
室内からも塗り壁を取り付けます。押入の中のものは出しておいてもらいます。
このような流れで6か所の新しい壁をつくるために新しい柱を4本入れました。
施工後の写真です。外壁は施工前と変わりません。
京都市の担当検査員が工事を確認しました。
縦に通っているのが新しく取り付けられた柱です。
ガラス引戸も安全の為、アクリル戸に取り換えられました。
新しい障子がはめられて工事が完了しました。
京都でもいつ起こるかわからない地震。その備えのお手伝いをするのが私たちの仕事です。