2008年5月20日

心振るわせる一瞬

日曜日深夜のクラッシュアワーがおもしろい。
時々ビデオに撮り数日後に見ています。
 この前は、昨年チャイコフスキーコンクールバイオリン部門で1位をとった神尾真由子の受賞コンサートがありました。演奏曲は これは外せないチャイコフスキーバイオリン協奏曲とシベリウスのバイオリン協奏曲。このシベリウスはフィンランドの作曲家であり、北欧の厳しい風土を通じて大自然の素晴らしさを感じさる曲です。なにか独特な深みがあります。(独特と言えばラフマニノフピアノ協奏曲第2番の第一楽章美しい第二楽章と比べ第一楽章は何とも独特で初めて聴いたときは違和感がありましたが、これがまたなじんで病みつきになるというか。一度聴いてみてください。)
神尾さんの演奏も“サスガ”でした。特徴の一つは力強さ。女性の中ではぬきん出ているそうです。最近関西出身のバイオリニストの活躍が目立っています。神尾さんも大阪豊中の出身だし、なんとも関西から世界に羽ばたく人が増えるのが嬉しいです。
 数あるバイオリニストの中でも独特なのがハイフェッツ。バイオリンと言えばハイフェッツと言われるぐらい人ですが、この超人的なテクニックと研ぎ澄まされた音色で他を圧倒してしまいます。だが、基本あっての独自性。世の中で素晴らしいと認められるものはすべてこのことが当てはまると私は思っています。最初は学び、習うこと。このことを突き詰めた上での極みが独自性ではないでしょうか。
 子供にバイオリンの名器ストラディバリウスと弓を渡して弾かせても決していい音は出ません。どう使ったらいいかもわかりません。弓の持ち方を伝え、弾き方を教え、子供が自主的に良い演奏を見てまねてはじめて心に響く音が出てくるのではないでしょうか。基本はすべてまねることから始まり、多くの人が心うたれる個性に変わっていくのではないでしょうか。
                               

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