2014年8月30日

常磐津一巴太夫さんを偲ぶ


歌舞伎など舞踊劇になくてはならない音曲の「常磐津節」
語りと唄の均衡がすばらしく、日本の重要無形文化財でもある。
門閥がものをいう伝統芸能の世界にあって
苦労して一代で常磐津節の芸を極め
人間国宝にまでなった人が「一巴太夫」さんであった。
親戚筋にあたる一巴太夫さんのことは
このブログでも過去に何回が紹介させていただいている。
 【 正月の大阪松竹座(寿初春大歌舞伎)師走の京都南座(吉例顔見世興行)
今年83歳になってもなおその美声は衰えず、
先月(7月)大阪松竹座での「七月大歌舞伎」の一ヶ月公演を
無事に終えたばかりのあまりに突然の訃報だった。
次に控えた東京歌舞伎座での公演を楽しみにしておられたそうで
ご本人の無念さを思うと心が痛む。
通夜の席で最後まで仁左衛門さんが惜しむように
そばに居てくださったのが印象的だった。
会場に置かれていた一巴太夫さん愛用の唄本。


びっしりと書き込まれ、使い込まれた譜面から
芸を極めようとするその意気込みが今でも伝わってくる。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

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