2017年2月10日

3回シリーズ:医師と考える 健康な家づくり②

断熱化のメリット
建物の断熱性や気密性を高めることで、冬の寒さや、ヒートショックの原因とされる建物内の温度差がやわらぎ、温かい快適な空間となるばかりでなく、寒さに起因するリスクを低減させると考えられます。断熱化のメリットをみてみましょう。
*断熱で家はこんなに快適に*
断熱・気密性能の高い家では、各部屋での温度差が少ないことが特徴です。そのためトイレにいくときに寒い思いをすることもなく、浴室でのヒートショックなどのリスクも抑えられます。

【出典】HEATH20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)
また夜間、暖房を切って寝ると、朝方、部屋の中がとでも寒くなっていた経験はありませんか?断熱・気密性能の高い家は熱を逃がさないので、朝方まで暖かさが持続します。

【出典】HEATH20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)
建物の断熱性を高めることで血圧改善以外にもアトピー症状の改善や結露防止などさまざまなメリットが得られます。
*ぜんそくやアトピーなど、さまざまな症状の改善が期待できます*
引越しにより新居に入居した約20,000人への調査によると、断熱・気密性能の低い家に引っ越した人より、断熱・気密性能の高い家に引っ越した人の方が、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの症状についても改善率が高くなることがわかりました。

【出典】岩前篤:断熱性能と健康、日本建築学会環境工学本委員会熱環境運営委員会 第40回シンポジウム、pp.25-28、2010.10
伊香賀俊治、江口里佳、村上周三、岩前篤、星旦二ほか:健康維持がもたらす間接的便益(NEB)を考慮した住宅断熱の投資評価、日本建築学会環境系評論文集、Vol.76、No.666、2011.8

*家が暖かくなると活動的に!身体を動かすことで健康改善につながります*
適度なウォーキングは、高齢者の心とからだの活性化・健康に有益であることが報告されており、実際に活動的である人ほど長生きしやすいというデータがあります。(下の図)

【出典】暮らしと住まいの健康講習テキスト第一版
ところが人は寒くなると、動くのがおっくうになるもの。
下のグラフのように、冬場の居間や寝室で寒さを感じる頻度が高い人は、あまり寒さを感じない人より、1日の平均歩数が下がることがわかっています。

【出典】暮らしと住まいの健康講習テキスト第一版
つまり、健康維持につながる活発で活動的な毎日を送るためには、家の温度を暖かく保つことが大切。断熱・気密性を上げることがそれをサポートします。
*****③へ続く*****

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