2024年3月11日
五重塔の柔軟さ
日本が世界に誇る建造物の一つに五重塔があります。
現存する世界最古の木造建築である法隆寺の五重塔をはじめ、各地に数多く建立されています。
五重塔は地震で倒れた事例がほとんどありません。
「心柱(しんばしら)」という真中のおおきな柱を中心に揺れを吸収する「柔構造(じゅうこうぞう)」で建てられたからと推測されています。
江戸時代に建立された五重塔の心柱は、柱が地面に固定されておらす、
「不安定の安定」という柔構造の特徴を如実に表しています。
地震の力をゆれて逃がす、現代で言う免震構造と言えるかと思います。
接合点を止める(ピンと言う)ことなく、移動する機能(ローラー)があることで、ゆとりがある懐の深い建物になります。
翻って、私たちの思考も「あなたはこうだ」「部下はこうあるべきだ」と決めつけて相手をみると、
見方としては安定しているようでも、あくまでも決めつけなので、関係性は不安定になりやすいものです。
反対に、人の感情や考え方、状況は変化するものとして、不安定な要素を受け止め、相手に合わせていくと、関係が安定することもあります。
「それが絶対」という見方は、人の感情や考え方の変化をとらえられなくなります。
柔軟な思考と受容する懐の深さを養いながら、仕事に取り組みたいと思います。
<参考文献:一般社団法人倫理研究所,職場の教養,3月号>
↑弊社モデルハウス「紫野マザーハウス」の制振機能
金属の摩擦で揺れを鎮める機能がついた装置をつけています。