コーヒーが見直されています
朝、1日の始まりにコーヒーを飲まれる方は多いと思います。
コーヒーを淹れたときの、ふわっと膨らむ香りに心癒されます。
数年前までは、コーヒーに含まれる成分のカフェインが胃痛を引き起こすことや、睡眠の質を低下させる作用があるため、コーヒーは体に良くない嗜好品と位置づけられてきました。
しかし、今ではその逆で、飲めば寿命が延びる健康飲料だと言われるようになりました。
国立がん研究センターが全国の40〜69歳の男女約9万人を対象に、コーヒーを飲む習慣について調査を行い、病気による死亡との関係を調べました。
コーヒーをほとんど飲まない人と比べてコーヒーを1日3〜4杯飲む人は、死亡リスクが24%も低い結果が出ました。
米国でもほぼ同じ結果が出ており、1日に4〜5杯飲むと死亡率が最も低下し、それ以上多く飲むと逆効果になります。
最近では、糖尿病や心疾患、アルツハイマーといった現代病にかかる確率も大きく下げるという結果も出ています。
その要因には、第一に、コーヒーに含まれるクロロゲン酸に、血糖値を改善して血圧を調整する効果や、抗炎症作用があること。
第二に、カフェインには、血管内皮の機能改善と呼吸器機能を改善する効果があり、循環器疾患や呼吸器疾患死亡の低下につながると言われています。
またコーヒーには心の健康に対して効果もあり、1日4杯のコーヒーを飲む人はうつ病のリスクが20%も低く、自殺率が53%も下がったという調査報告を米ハーバード大学が発表しています。
このコーヒーの香りによるリラックス効果は、コーヒー豆の産地によって脳への影響に差が出るそうです。
日本で人気のブルーマウンテンやグアテマラの香りはリラックス効果が高く、ブラジル・サントスやハワイ・コナの香りは脳の働きを活性化してくれるため、集中力アップ効果が高いとされます。その時の気分や作業内容に応じて、豆の使い分けをするとより効果を実感できそうです。
自分でドリップコーヒーを淹れることは、それまでの仕事や家事を一旦止めて、違うことに集中することになり、気分転換にもなります。心も体も健康な状態を保つために、生活の中により深く、コーヒーを取り入れてみてはいかがでしょうか。