2013年1月19日
「精進料理」の心
健康志向の人が増え、
スローフードやエコライフへの関心が高まっている中
ヘルシーなイメージが強い「精進料理」の作り方を習いたいと
考える人が特に中高年世代を中心に増えているそうだ。
精進料理はもともと禅寺の修行僧が食す簡素な食事のことだが、
この精進料理の作り方を実際に禅寺のお和尚さんが
教えてくださる料理教室がある。
京都市右京区の妙心寺内にある
東林院
教えてくださるのは住職の西川玄房氏。
長年、禅寺の料理係を務め、精進料理の本も出版されている。
実は先日、私もここの料理教室に参加させていただいた。
西川玄房和尚にはまず「精進料理」の意味から教わった。
精進料理とは、
単に肉や魚を避けるだけではなく、口にするものを生かす心で
旬のもの、素朴な材料を無駄のないように
最大限に利用するもので、
自然の恵み、大地の恵み、物のありがたさに感謝する
禅の心に通じるものだという。
現代の人々が精進料理に惹きつけられるのは
単に体に良いというだけでなく、
この「食べる禅」ともいえる精神性にもあるのだろう。
さて、私が教えていただいた献立はこちら。
実はこの献立のメインは、ごま豆腐(お膳中央)だ。
ごまを30分もすりつぶして作った一品。
すり鉢で心をこめてひたすらすり続ける作業。
禅寺では最高のもてなし料理なのだそうだ。
試食は庭の見える書院で。
禅寺らしい落ち着いた雰囲気もいい。
庭にはこんなものも。
だいこんや青菜
境内の畑で京野菜を育てているのだそうだ。
「自然の恵みに感謝し、思いやりを込めて料理をしてほしい。」
西川玄房和尚の声が聞こえてくる。