2012年7月15日

京都の夏、本番


京都の夏の風物詩であり、日本三大祭の一つとされる祇園祭が
クライマックスを迎えている。

もともと疫病退散の祈願が始まりとされている夏の行事だ。
京都では17日の山鉾巡行が終わると梅雨が終わり、
いよいよ本格的な夏を迎えるという共通認識があるが、
実際毎年の気候でそのように感じている。
また、梅雨末期のこの時期に大雨に見舞われることが多いのも事実である。
そして来月の五山送り火が終わると、急に「秋」の気配を感じる。
海からも遠く、三方を山に囲まれた地形の京都は
夏吹く風が弱く、他の地域よりも暑さが厳しい。
これからしばらくは京都の蒸し暑い夏が続く。
さらに今年は節電が求められる夏でもある。
快適に乗り切れるように我々は「住まい」でサポートしていきたい。

2012年7月1日

美味探究 part15 -若狭焼き編-


新鮮なぐじ(甘鯛)を仕入れてきた。
京都では高級魚とされいる「若狭ぐじ」。
このきめ細かな美しいウロコが特徴だ。

身がとても柔らかく繊細なため、塩をうってしばらくおき、
ウロコを残したまま焼く。
このウロコは美味しさの決め手となる。
ウロコを焦がさずに、
なおかつ立たせずに綺麗に焼き上げるのは一般的には難しいが、
電気のグリルを使うと比較的簡単にできる。


「中火→弱火→とろ火」の順番で焼き上げる。

ウロコがカリッとサクッとして身はホクホク。
ウロコの香ばしさと、白身の深い味わいが楽しめた。

2012年6月22日

聴竹居


昨年になるが、
テレビ朝日系列の人気長寿番組『建もの探訪』でお馴染みの
俳優 渡辺篤史氏に、ある会合のゲストスピーカーとして
講演していただいたことがある。
数々の住宅を訪問している渡辺氏が講演の中で、
「関西にある『聴竹居』という住宅には本当に感動した」と
絶賛されていた。
実はそれよりさかのぼること3年前(2008年)、
日経新聞の日曜版「昭和の住宅建築」特集で、
『聴竹居』が大きくクローズアップされており、
興味深かった私はその記事を切り抜いてスクラップしていた。

当時は一般公開がまだ限定的で、見学の機会をのがしていたが、
環境共生住宅の原点というその内容に魅かれ、
その後『聴竹居実測図集』を購入し、興味深く読み込んだ。


最近は重要文化財の指定を目指す有志の方たちのお力で、
申込制とはいえ見学しやすくなっている。
そこで本日、石田工務店社員研修の一環として
社員全員で内部見学をさせていただいた。

京都市郊外、天王山のふもと大山崎町にある『聴竹居』 外観
住宅はその土地の気候や風土から生まれるものだという
明快な哲学を貫き、
合理性とデザイン性を徹底的に追究した住宅。
昭和初期に活躍した建築家、藤井厚二氏が
今から80年以上前に建て実際に家族と暮らしていた自邸だ。
藤井氏は、東京帝大卒業後、竹中工務店勤務を経て
京都帝国大教授に転じている。
経済的に恵まれ、何ごとにも「凝り性」の人だったという。
住み込みで雇っていた大工と、細部にいたるまで
デザインと暮らしやすさを追究した細かい仕事ぶりが見てとれた。
また、建築だけでなく、家具や照明などもデザインしていて、
ライフスタイル全体をデザインするある種「芸術家」としての
妥協のなさも伝わってきた。見ごたえのある住宅だ。
藤井氏の建築家としての作品が、
実は京都市内にも複数件現存していることを知り、
以前順番に訪れてみたことがある。

上京区染殿町の家

左京区吉田神楽岡町の家

左京区北白川伊織町の家
窓まわりの繊細なデザインが特徴的であり、
木々の緑と調和していた。
彼はガンのため49才という若さで亡くなり、
現在、京都嵯峨野の二尊院に眠っている。
その墓標さえも彼自身が病床でデザインしたのだという。
この「美」を追究する気持ちをつらぬいた
藤井厚二氏の思いが今も京都に生き続けている。

2012年6月11日

断熱材

「断熱」により、
夏の蒸し暑さ、冬の底冷えが大きく改善されると、
冷暖房の負荷が軽減され、節電につながる。
このことは現在ではよく知られるようになってきた。
CO2削減にもつながるため、
住宅の断熱化は国や自治体も支援しており、
「住宅エコポイント」申請の条件にもなっている。
ところで、この肝心の断熱材、
じっくりご覧になったことがあるだろうか。
断熱材は住宅が完成すると隠れて見ることができない。
見えない壁の中で結露をよび込みやすい
やっかいな断熱材もあるので注意が必要だ。
さて、一番優れた断熱材は何かご存知だろうか。
実は「空気」だ。
今週末の新築現場見学会では、
断熱材取付直後の現場を特別公開する。
空気の泡をじっくりご覧いただけるだろう。

私たちは皆様に断熱材選びに興味をもっていただき、
快適で耐久性のある住宅を建ててほしいと思っている。
ぜひ参考にしていただきたい。
6月16日(土)新築現場見学会については
イベント情報ページをご参照ください。

ご来場お待ちしております。

2012年6月6日

お茶のこころ


私は関東の大学で建築を学び、
卒業後はそのまま数年東京の設計事務所に勤めいていた。
二十代後半で生まれ故郷の京都に戻った時、
日本が誇る京都の伝統建築や文化が、改めて
新鮮で貴重なものとして目に映ったのを今でも覚えている。
折を見ては寺社仏閣や伝統文化を見たり触れたりして回った。
そしてその延長で、「お茶(裏千家)」を習い始めることになる。
茶道は奥深いものであり、一生の修行道だといわれる。
稽古帳を開いてすぐに書き記した「無心」の文字。

「煩悩より生じた卑しいきたない邪念や邪心のない、正念、正想のこころ」
24年前に書き入れた文だ。
当初、仕事を終えた後に車で稽古場へ通っていたのだが、
稽古へ向かう時と、帰りでは、自分の運転が全然違うことを
自分自身が一番感じていた。
稽古を終えた後は、何ともいえない穏やかな心でゆったりと運転している自分に気付く。
初稽古は平成元年の九月。

「ふくささばき」から始まった稽古も
五年後には「亭主」をさせてもらえるようになっていた。

残念ながら、慕っていたお茶の先生が亡くなられ、
現在は稽古が中断している。
だが、茶の湯の世界には興味がつきず、
現在も茶の湯、千利休関係の書籍は自宅でよく読んでいる。
さて、今月からのNHK『趣味悠々』の新番組で
「茶の湯(表千家)」が始まったので初回の放送を見てみた。
第一回目は「利休の心を受け継ぐ茶」として
利休ゆかりの地、大徳寺が主に紹介されいた。

大徳寺は我が社から歩いて1分だ。
番組内で紹介されていた、大徳寺の塔頭「聚光院」
(利休はじめ三千家歴代の墓所がある)もすぐそこにある。

利休居士が唱えた「和敬清寂」。
和をもってお互い敬い、清らかな心でどんな時にでも動じない心をつくる。
お茶の精神だ。
「まぁ座って一服どうぞ」
という心こそ、
ゆとりのない現代に必要なのかもしれない。

2012年5月29日

ギャラリー

先日、イラストレーターであり絵本作家でもある親友が京都で開催した
個展に行ってきた。

彼の絵本『My Red Balloon』は昨年ドイツでルークス賞を受賞し、
今回はその原画展である。

この絵本は、ドイツDeutschlandfunks und Focus で
「青少年のための読書ベスト7冊」にも選ばれたのだそうだ。
原画はやはり大量生産される印刷物とは全く違う。
絵画の質感、色の出かたや奥行きは実際に目にしなければ伝わらないということを実感する。
彼のイラストレーターとしての才能を改めて感じた。
実際に目に触れることで、それまで気付かなかった領域に
感性をゆさぶられることは、それ自体が貴重な出会いだ。
実はもう一つ、彼の作品とともに貴重な出会いだったのが
彼が個展会場にしたギャラリーだ。
京都市左京区にある『恵文社一乗寺店』の一室にある。
一見、アンティークショップのようにみえる外観と『けいぶん社』の看板。

実際入口付近では雑貨も並べられているのだが、
実は知る人ぞ知る「本屋」だ。
英国紙ガーディアンの「世界の本屋さんベスト10」特集でも
紹介されたのだそうだ。
店内は木の温もりが感じられるレトロな雰囲気で
照明も一般の書店に見られる煌々とした蛍光灯は使用せず、
温かみのある白熱灯タイプのライトが使われている。

また、品揃えも面白い。
ここには、新書やノウハウ本が見当たらない。
実用情報優先の本やネット検索で済む内容の本は置かないという
オーナーの主義らしい。
だが、どこを見ても感性をゆさぶられるような質の良い本が目につくのだ。
本自体が作品として静かに出会いを待っているようにも感じる。
流行りものや大量販売、という考え方には決してなびかず、
質の良いものや、本当に人に薦めたいものに徹底してこだわる。
これは非常に共感できる部分だ。
実際、『恵文社一乗寺店』は、京都市中心部より離れ
決して便利な立地ではないが、日本全国から幅広い年代層の方が
頻繁に訪れるのだそうだ。
ある種芸術的な配列の本や雑貨の棚をぬけると、
その奥にギャラリーがある。

あちらこちらで個性が光る空間というべきか。
ギャラリーでは彼のイラストが心和ませてくれた。

この絵本には、彼の優しさと繊細さがすべて表現されていると思う。
良いものとの出会いは感性を豊かにしてくれる。
目先の情報に流されず、良いものにこだわって
私も仕事をしていきたい。

2012年5月21日

金環日食


今朝、多くの人が目にしたであろう金環日食。
弊社近く、船岡山の見晴らし台にも
たくさんの人が集まっていた。

船岡山は木々が生い茂っているため、
日食時特有の「三日月型の木洩れ日」があちこちで見られて幻想的だ。


木洩れ日を撮影している人の背中にも金環日食。
このような天文ショーを目にすると、
自分たちが、
「脈々と続いている宇宙の営みの、ほんの一部で生かされている」
ということを思い知らされる。

2012年5月3日

新緑の史跡散策


我が社が位置する京都洛北には
有名な社寺・史跡が数多く点在するが、
それぞれに四季折々の楽しみがある。
今朝、洛北の代表的な名跡
『詩仙堂』から『曼殊院』へと足をのばして
美しい新緑を散策してきた。
まずは詩仙堂へ。

一見、見過ごしてしまいそうな小さな門をくぐると、
情緒ある石段や石壁の向こうに静かなたたずまいの建物がある。
江戸時代の文人(石川丈山)が晩年を過ごした山荘とあって、
簡素な建物でありながら凛とした個性的なたたずまいである。
一歩部屋に入ると、軒と柱と床で切り取られた庭の新緑が
目にぐっと迫ってくるようだった。

また、この庭から感じるのは立体感だ。

様々な植物に囲まれた複雑なこの庭を散策するのも面白い。
静寂に響くししおどし

日常の喧騒を忘れるひとときだ。
次に訪れた曼殊院。

こちらは桂離宮に通じる書院建築で、
雅びな雰囲気の門跡寺院だ。
庭園の霧島ツツジが見事だった。

手前の松は樹齢約四百年の五葉の松。
鶴をかたどっているらしい。
庭園には「鶴」や「亀」、「ふくろう」など
縁起の良い動物がずい所に見られるのがおもしろい。
夏の夜長、東山から登る月を映した手水鉢。

悠久の時が偲ばれる。
みずみずしい木々の緑から力強い生命力を受け取り、
心豊かにさせていただいた。

2012年4月22日

メンテナンスの落とし穴


いうまでもなく、住まいは人が暮らす場所であるから、
年月を経るとどうしても痛んでくる箇所が出てくる。
その経年劣化を早期に見つけて対処るすために
施工した新築住宅では定期的にメンテナンス点検を行っている。
だが、この経年劣化による問題ではなく
「暮らし方」で住まいのトラブルを発生することもあるので要注意だ。
少し前に、お施主様より、
「キッチンの流しの水がいっこうに流れずどんどんたまってしまう。
何故なんだ」
という緊急トラブルの相談が入ってきた。
「もしかして・・・」という思いとともに
お施主様のお宅へ向かう。
シンクはあふれんばかりの水たまり。
すぐさま屋外の排水枡に直行した。
キッチンの流しから出ていく排水は、
この敷地内の排水枡を経由して
敷地外の本下水管へと流れていく。
この排水枡は、重大な詰まり事故を防止するために
設けてあるものだ。
排水枡の中を覗くと予想通り真っ白だった。

毎日キッチンから流される油と洗剤が化合して
白いカスが徐々にたまっていく。
固まりだしたら急速に積み重なっていってしまう。
つまり、今回のトラブルの原因は
排水枡のつまりにあった。
とにかくつまっているものをかき出しながら、
排水枡内を洗浄する。

十数分後、かなりきれいになった。

なんとこれだけのものがつまっていたのだ。

これでキッチンの排水トラブルは解決した。
実はこの手のトラブルは少なくない。
キッチンの排水枡は時々確認し、定期的な掃除が必要だ。
油料理が多いご家庭では特に注意が必要である。
キッチンからの排水枡の場所の特定の仕方だが、
全ての排水を止めて、キッチンからの排水のみとし、
屋外の排水枡を開けて流れを確認すると枡が特定できる。
ぜひ確認していただきたい。

2012年4月12日

謹んでご冥福をお祈り申し上げます


先ほど研修会の帰りに四条通りを歩いていると
たくさんの報道陣に出くわした。
大きな交通事故で八人の市民が亡くなったという。
その悲惨な現場を突然目の当たりにし、
どうしようもなくやるせない気持ちになった。
犠牲になられた方々の無念さが
私の心を突き通す感じがした。
私たちが住む身近な京都で
このような悲惨な事故が起こってしまい
つくづく残念でたまらない。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

Webからお問い合わせ 0120-296-481