2011年3月3日
木から「気」をもらう
京都市内からは比叡山がよく見える。山の向こうは滋賀県、琵琶湖だ。
比叡山山頂へは京都側から登る叡山ケーブルと、
滋賀県側から登る坂本ケーブルがある。
その坂本ケーブルの山頂の終点「延暦寺駅」のすぐ横に
小さな鳥居がある。延暦寺とは反対方向、無動寺への入口だ。
ケーブルを降りた人はほとんどが延暦寺へ向かうので
この鳥居をくぐる人は普段あまりいない。
だが、この鳥居を入った参道が何とも素晴しいのだ。
500年以上は生きているだろう杉の巨木が何本もそびえ立っている。
何ともいえない神聖な場所だと思う。
そして本当にその巨木から何か「気」がでている気がしてくる。
またそのパワーを吸い込めるような気がしてくるから不思議だ。
空気も優しい。まさにマイナスイオンか。
しばらく歩くと気分も穏やかになってくるのが分かる。
この仕事をしていながら、やはり木の家はいいとつくづく思う。
ところで、花粉症の方には御容赦いただきたい話だが、
杉が花粉を飛ばす瞬間をご覧になったことはあるだろうか。
実は以前、この比叡山で、その衝撃の瞬間を目撃したことがある。
それまで、花粉は「風で自然に」飛散するものと思っていたのだが、否。
その日に風はなかった。
杉が明らかに意識をもって飛ばしていたのである。
けむりのようにフワッと一斉に放出しており、
最初は本当に「煙」かと思い、本気で山火事を心配したほどである。
子孫を残すための強い意志か。
やはり木は生きているんだと実感した瞬間でもあった。
さて、花粉が気になる季節。
くれぐれも花粉症の皆様、お気をつけいただきたい。