2012年1月22日

美味探究 part11 -「味の基本」編-

一月も終盤、すっかりお正月気分はぬけているのだが、
遅ればせながら、自家製おせちに使う「だし」について
少し紹介しておこうと思う。
一年のけじめ、一家のけじめとして
年のはじめに食べるおせちはなるべく自分でつくる。
中でも特に手間をかけるのが、
ほぼ全ての品の味の基本となる「だし」だ。
もちろん使うのは「昆布」と「かつお節」なのだが、
まず当然、素材はしっかりしたものを選ぶ。
昆布は利尻産。

かつお節は100%かつお(鹿児島県産)のけずり節。

そして、ここから少し手間をかけるところなのだが、
まずだしをとる前に、昆布に酒をふりかけておく。

1時間ほど酒に浸したのち、
低温のオーブン(100度)でじっくり熟成する。

1時間後↓

うま味がさらに豊かに引き出される我が家の「だし昆布」完成。
これを水に2時間ほど浸したのち弱火で加熱。

沸騰直前で昆布を引き上げ、
かつお節を(この時ばかりは)贅沢に入れる。

これで黄金色のうま味が凝縮された「だし」完成だ。

この「だし」が、日本の伝統料理の一品一品に、
飽きのこない自然な、それでいて上品な味をふくませる。
ささやかながら味わいを大切にした我が家のお節料理。
今年は13品つくった。

ところで先日、NHKのある番組で
現在の子どもたちの「味覚」を危惧する内容のドキュメントがあった。
ファーストフードやインスタント食品の
化学調味料の味に慣れてしまっている現代の子どもたち。
素材そのものの味を楽しむ感覚が鈍くなっているのだという。
人間が本来もっている「味」への鋭い感覚。
その感覚を退化させずに食事や料理を楽しむ感性を育むことが
人生を豊かにする本当の意味の食育だと思う。