2012年9月12日
左官職人
先日新聞のコラムに
左官職人、挟土秀平(はさど しゅうへい)氏が取り上げられていた。
土壁を専門とし、塗壁の個展を開いたり詩集を出したりと
左官界に新風を吹き込んでいる異色の職人だ。
彼の本を読んだ人も多いだろう。
私と同じ世代。
83年技能五輪全国大会で優勝。
技へのこだわりもさることながら、
芸術性も追究し、その職人魂は見事だと思う。
記事では、現在の日本の「使い捨て」時代への
反抗と危機感が述べられていた。
話は変わるが、
我が社「石田工務店」も
私の祖父が戦前におこした左官業がはじまりだ。
当時は塗壁の需要が多く、
職人が技を競い合っていたという話を聞く。
時は移り、工期がかかる塗壁は次第に減っていった。
当然職人も減っていく。
挟土氏は述べている。
「経済性ばかりに目を向け、職人を見捨てると
やがて本物が廃れていく。
せめて本物の技を見る目は養わなければならない。」
父の代で工務店となって、現在、
多くの職人さんの協力で住宅がつくりあげられている。
その技に敬意を払い、
同時に自分自身も厳しい目を持ち続け、
一丸となってものづくりを極めていきたいと思う。