2017年10月23日

台風の爪痕

昨夜から今朝にかけて台風が京都に近づいた。
和歌山おきを通過したということなので距離はあったが、
950ヘクトパスカルの特大の台風ということもあり、
夜中の風雨、特に風は凄まじく、久々に眠れない夜を過ごした。
9月17日に京都のほぼ上空を台風が通過した時は
目立った被害は少なかったが、
今回は違った。
今日は朝からひっきりなしに電話がかかってきた。
樋の外れ、屋根波板の割れや吹き飛び、雨漏れ等々・・
いかに台風の勢いが強かったかを思い知らされる。

車を運転していた時、大きな台風の爪痕に出くわした。
北区紫明通りの大木が根こそぎ倒れていたのだ。


道路は通行止めになっており、作業員が木の撤去を始めていた。
根と共に地面がめくり上がった状況は今まで見たこともないものだった。

車道2車線と歩道をふさいだこの木による人的被害がなかったことを祈る。

台風や地震など、自然の猛威の前では人は無力だと感じることは多いが、
建築(住まい)をつくっている私としては、
その自然の力から人を守ることが仕事である。
自然の猛威という環境に対応した住まいづくりが
近年ますます求められていると思う。
智恵を絞り技術や工夫を加えた安全な住まいづくりを
さらに加速させていきたい。

2017年10月11日

美味探求 part25 -鰻、木の葉丼-

短時間、15分程度で作れる丼ものを紹介します。

<材料>
・鰻
・万願寺とうがらし
・しいたけ
・ひらたけ
・三つ葉
・ちくわ
・卵

鰻は等分に切り、味の母(酒風味みりん)、水を入れ弱火で10分煮た後、付いているたれを加え5分煮る。
別鍋に、白だし、麺つゆ、味の母と、隠し味のオイスターソースを入れ、きのこを弱火で10分程度煮る。ちくわを加え、卵でとじ、三つ葉をちらす。

万願寺唐辛子は別に直火で焼く。
丼にご飯を盛り、その上に3種類の具材をのせて、鰻、木の葉丼の出来上がり。
お好みで山椒や七味をふりかけてください。

2017年9月25日

大空と大地の中で

私は音楽好きである。
日本もの、洋楽、クラシック、ジャズ・・・
何の脈絡もなくごちゃまぜに聴いている。
ただ、なぜか日本ものの中では
北海道出身のアーティストの曲を
多く聴いてきた気がする。
松山千春、中島みゆきは今でもよく自宅でかけている。
なぜなんだろう。
私はあの大きな大地を憧れているのか。
北海道の人に素直さを感じるのだろうか。
その曲の裏に少しのもの悲しさも感じてしまう。
昔に思いを寄せていると
千春とみゆきがお互いに思いを寄せていたことも
思い出す。(※私見です)

ご存知の方も多いと思うが
今年8月20日、松山千春のしたある出来事が
ニュースになった。
ご存知ない方も当然いると思うので
私が知っている情報をここに書いておく。

『8月20日、新千歳空港は保安検査場が大混雑。
保安検査が終わらずに搭乗できない乗客が多くなり
出発時間が遅れる事態が発生してしまいました。
11時55分発伊丹行き全日空機も定刻を過ぎても動かないまま。
先に搭乗を済ませた乗客はイライラがつのります。
1時間程経過した機内で、突然のアナウンス。
「千歳発伊丹行きにご搭乗の皆さん、松山千春です。
もうシートベルトをされてから1時間以上も経つ。
いらだつでしょう。むかつくでしょう。しかし
安全に飛んでくれることを自分たちは信じていますし、
皆苦労していますから待ちましょう。“旅は道連れ”ですから、
一緒に旅行を終えましょう」と言って自分の持ち歌である
<大空と大地の中で>を、♪果てしない大地~♪と歌いはじめました。
「皆さんのご旅行が、これからの人生が、
素晴らしいことをお祈りします。もう少しお待ちください。
ありがとうございました。」と締めくくりました。
この便に乗り合わせた松山千春さんの機転で、
機内はなごみ、拍手喝采が巻き起こったそうです。』

彼は1955年12月16日、北海道足寄町で生まれる。
フォークソングとの出会いは、小学校5年生。
岡林信康が足寄で弾き語りコンサートを開き、
聴きに行ったことが始まりだったという。
足寄高校時代は、成績優秀、バスケットボール部で活躍したが
進学は断念。父親の仕事を手伝いながら、
フォーク音楽祭に応募する。
そしてすぐに有名になる。

当時、テレビ出演を拒否していたが、
「あなたにはたくさん届いた番組出演のリクエスト葉書に
何か答えなければならないはず」との言葉に感銘を受け、
ザ・ベストテンに出演。
当時はこのことが大変話題になった。
ほどなくして、
右寄りで少しこわもてな感じを
私は持つようになった。
髪を剃ったことも影響していたのかもしれない。

実はもう一つ、最近になって
彼について知ったことがある。
北海道出身、鈴木宗男議員との関係だ。
足寄町出身の鈴木宗男氏とは足寄高校の先輩後輩の仲。
鈴木氏が初当選する1983年総選挙から
選挙応援をしているという。
鈴木氏が代表を務める「新党大地」の名付け親でもあるという。
2011年、鈴木氏が在職25年以上の永年在職表彰で
製作された鈴木氏の肖像画の中に
異例となる「新党大地 命名松山千春」と記され
国会内に掲示されたそうである。
このことを知ると、
郷土を愛する一途さに心が動く。

20年ほど前、
彼の歌声を聴きに
大阪のコンサート会場に行った。
張り詰めた空気の中で彼は歌う。
感激した。

今年8月20日のエピソードを聞いて、
また生で曲を聴きたいなぁと思う。
たくさんあるが
「銀の雨」「雪化粧」は聴いてみたい。

彼の歌はすごく力強くて、そして優しい。

(写真はすべて「松山千春アルバム(レコード)/君のために作った歌」より

2017年9月11日

秋の空に乾杯

ここ最近は秋晴れの日が続いています。

先日、夕焼けがたいへん美しい日がありました。

北大路通りから西の空を撮った写真がこちら。

当日の昼の青空に浮かぶ雲もきれいでしたが

やはり夕焼けは格別です。

夜には月が東の空に上がっています。

きれいな月を見ながら

この日はビールで乾杯。

夜遅くまで話の花が咲きました。

2017年8月12日

タイムカプセル

5月末、研修のため岡山を訪れた。

研修も終わり、せっかく岡山に来たので

岡山の名所をまわることにした。

 

岡山といえば後楽園。

岡山駅から徒歩20分くらいのところにある

有名な武家庭園である。

初夏ということもあり梅がたわわに実っていた。

池の鴨も一味違う。

後楽園から眺める岡山城。

敵を撃つ狭間から見える景色。

岡山城内に備前焼が素人でもできる工房があるというので

器づくりを体験することにした。

(岡山城天守閣内備前焼工房)

約1時間かけて、丁寧な指導のもと器をつくっていく。

ろくろの中央に土の丸い塊を置き、

親指を差し込み型を整えていく。

慣れていないので力加減がよく分からない。

厚さはこれくらいでいいのかと思いながらも

型が出来上がった。

これは一応、お酒を酒器に注ぐ器である。

先生の「いいですよ」という終了の合図の後、

名前を入れ全ての作業を終えた。

この器は工房で焼いて自宅に送ってくれるという。

備前焼は自然な風合いの焼きものである。

釉を掛けないから炎が器に写し取られる。

さて、どんな焼きものになって戻ってくるのか。

1ヵ月半後の楽しみである。

 

ということで器が届いた。

箱を開けてみると、

少し小ぶりになったそれがそこにあった。

手に持つとずっしり重い。

藁の炎が肌を彩る。

この器はまぎれもなく実用品である。

さあ、いつ酒を飲む道具として使おうか。

きっといつもよりうまい酒が飲めるに違いない。

 

暮らしの楽しみがまた一つ増えた。

2017年8月7日

Y邸グレードアップしました

2016年夏完成した紫野Y邸の南屋根に
太陽光パネルを載せる工事を行いました。

ガルバリウム鋼板の屋根の上に
京セラのパネルを取り付けていきます。

外の工事は順調に昼過ぎに完了しました。
ここで注目。
真夏の京都、最高気温が35度を越える昼間の工事なのに
職人はほとんど汗もかかず作業を進めていきます。
なぜか。
その理由は着ているジャケットにありました。
わきの下に丸い穴が二つ。

そこにファンが仕込まれているのです。
空気を中に取り込み、そで口と首まわりから空気を排出する
高機能上着。
服にはしっかりバッテリーも仕込まれていました。
真夏の作業にはこれくらいの装備が必要ですね。

さて、時間がかかるのは内部の作業です。
外からの配線を新しい分電盤までつなげていきます。

わずかなすき間を通しての配線つなぎ。
さすがに熟練工。技が光ります。
朝から始まった工事は18時過ぎに全ての工事が完了。

後は関電の通電を待つのみです。
Y様、もう少しお待ちください。

2017年7月18日

~木のまめ知識~  目的にあった良い木材を生産するには

檜の柱と杉の床板

目的に合った良い木を生産しようという歴史は、戦国時代にさかのぼります。

江戸時代になると更に都市が栄え、城、茶町、屋敷などに多くの木材が使われました。
天然の良木は全国的に有名になり、それが徐々に銘柄材として認められました。
例えば、秋田杉、木曽檜などです。

どの銘柄材もすべて天然でしたが、太い天然木が育つのには時間がかかるため銘柄は維持しつつ用途に合った材をつくるため人の手が加えられました。
この時代の銘柄で有名なのが、吉野杉や北山杉です。

木は人の手を加えることによって良い材をコンスタントに生産することが可能になります。その代表的な手入れは、間伐と枝打ちです。

まず、木の育ちはじめは成長量が大きいので密に植えて成長を抑えます。
これは日照量が多いほど木にとっては良好ですが、成長が良すぎると年輪の幅が広くなり、狂いが大きく弱い木材になるからです。
木が成長するにつれて、木を切って本数を少なくしていきます。
これが間伐です。何やら野菜づくりと似ていますね。

また、枝は自然に下から枯れていくのですが、枝打ちを早くから行えば無節の美しい材をつくることができます。

日本人にとって身近な木材、これからも大切に使っていきたいものです。

2017年7月13日

木の吸湿作用

よく「木は呼吸する」と言われる。
これは、木の表面が湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用のことだ。
例えば、厚さ4ミリの1㎡のヒノキ板が含むことができる水蒸気の量は、
8畳間程度の部屋が25℃の時に含む量と同等なのだそうだ。

◆木が湿気を吸うのは厚さ何ミリまでか◆
では、木の調湿作用が働くためには
どのくらいの厚みが必要なのか。
木がどの深さまで吸放湿しているかを調べた実験がある。
それによると、
一日の湿度変動で水分が出入りするのは、
表面から3ミリ程度の深さまでということが分かったそうだ。

少し細かくなるが、
この実験では、24時間周期で温度と湿度が変化する箱の中に
側面をアルミホイルで覆った木片を入れて行っている。
木片を一定時間ごとに取り出してスライスし、
厚さ方向の含水率分布を測定した結果、
含水率が変化するのは表面付近だけで、
中心に近いところではほとんど変化はなかったそうだ。
このデータを用いて、
いろんな周期で含水率が変化する深さを推定したところ
周期と有効な厚さは以下のようになったという。

<温湿度変化の周期と有効な厚さ>
1日・・・3ミリ
3日・・・5.2ミリ
10日・・・9.5ミリ
1ヵ月・・・16.4ミリ
1年・・・57.3ミリ

◆木の調湿効果を生かすには◆
この結果から、木の調湿作用を十分引き出すのに必要な
木の厚さが分かる。
一般的な単層フローリングは15ミリであるから、
1ヵ月周期の調湿に有効だと言える。
また、一年周期の場合は57.3ミリであるから、
12㎝角の柱がちょうど作用しているわけだ。

ただ、このような調湿効果を生かすには、
表面の仕上げに注意が必要である。
湿気を通しにくい塗装をしたり、
フィルムで覆ってしまったりしては効果がない。
浸透性の塗料がおすすめである。

2017年6月26日

美味探求 part24 -スペアリブと冷製和風オムレツ-

よく行く「かわきた屋」さんで仕入れたスペアリブで
夕食のメインディッシュをつくった。
先日下処理をしてストックしていた実山椒が活躍する。
肉の下処理も丁寧に行っている。
塩水洗いと50℃洗い。これでぬめりと臭みを取る。
弱火で脂面を20分、両側面を少し焼いて、余分な脂を捨てる。
そして作り置きのオリジナル和ダシで蒸し焼きにする。
味付けは味醂、豆板醤、出汁、バルサミコ酢、ケチャップ、塩、こしょうと実山椒。
煮詰めた後、仕上げに醤油をたらす。

もう一品、冷製和風オムレツ。

切り口に見えるのは
アスパラガス、さやいんげん、にんにくの芽、長いも。
先茹でしておく。
野菜は一方向に並べておく。この方が切った時に美しい。
上にはタマネギのスライス。
味付けは和風ダシ。粉チーズをたっぷり加えている。
弱火で25分待てば出来上がり。
家庭菜園で採れたバジルを添えて。
冷やしていただく夏の一品。

2017年6月22日

九重桜

個人的に気に入っている味醂を紹介したい。
愛知県碧南市、九重味醂㈱(創業1772年)が醸造している
「九重桜」

京都市左京区にある詩仙堂、石川丈山の流れをくんでいるという。
この味醂はうまい。
料理に使って良し、そのまま飲んで良し。
全国味醂品評会で名誉大賞を受賞している。
味醂の世界も、「みりん風調味料」「本みりん」「本格みりん」に分けられる。
味に劣る「みりん風調味料」は論外として、
「本みりん」も原料用アルコールを使った化学的抽出法でつくられる。
これに比べて九重桜のような「本格みりん」は
もち米、米麹、米焼酎につけ込むこと約70日を経て
重みをかけて自然の搾り出しでつくられる。

名前の「九重桜」、実物は京都にある。

京北町周山の常照皇寺にあるこの桜は
京都府の桜の中で唯一の天然記念物の品種である。

京都との縁を感じ、一杯。

氷を浮かべてのオンザロックやソーダ割りがうまい。

Webからお問い合わせ 0120-296-481