2014年5月26日

生活空間の詩 -建築家・吉村順三展-


三里塚教会/設計:吉村順三
(http://www.museum.kit.ac.jp/20140317.htmlより)
先日、
京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催されていた
建築家・吉村順三展に行ってきた。

吉村順三氏(1908〜1997年)は、
日本の木造文化のエッセンスを現代に活かしながら
木造住宅を中心とする設計活動を通して
居心地の良い、簡素で温かな生活空間をつくり続けた建築家である。
展覧会では
吉村先生が描いたスケッチや実測図などの資料も模型と共に展示されており、
建築家・吉村順三が木造建築でつくりあげようとした生活空間の姿を
今回じっくりと感じとることができた。
会場にさりげなく置かれていた休憩用の椅子

建築家コルビジェのデザイン。
さすが美術工芸資料館である。
椅子に腰掛けると目の前に美しい新緑。

自然と建造物が調和し落ち着く会場での展覧会だった。
芸術的感性に心地良く響くものに出会うと心が喜ぶ。
そんな清々しい思いがした休日だった。

2014年3月25日

心と建築


以前、建築雑誌で「心と建築」についての記事を連載された
愛知産業大学の建築学科教授、武田雄二先生が
このほどその著書全6回分を送ってくださった。
武田先生は
人間の生理・心理と建築物との関係について研究しておられ、
とくに建築仕上げ材料の触感と人間の生理・心理の関係を
詳しく研究しておられる。
建築材料学、建築環境計画学の専門家だ。
先生とは数年前にある祝賀会で同席して以来の
お付き合いであるが
このように気にかけていただいて有難い。
我々も天然木がもたらす触感「木のぬくもり」を大事にしている。
建築空間が人間に心理的な影響を及ぼすということは
誰もが少なからず経験し納得するところだろう。
武田先生の「触感」に関する考察に
「温冷感」「粗滑感」「硬軟感」「好悪感」「その他」という分類がある。
そのそれぞれを、
弊社が追究する「住まいの感覚」に当てはめると以下のようになる。
「温冷感」については、冬は暖かく夏はさらっとして、
「粗滑感」は、少しざらざらと、
「硬軟感」は、柔らか味があり、
「好悪感」については、ここちよい肌ざわりを求める。
「その他」で表わす触感は、
ついつい寝ころびたくなるような感覚を弊社は求めている。
このことをまとめられたのは
先生からいただいた文献のおかげである。
人間は五感をはじめとする「心」で空間の特性を捉えてきたが、
超情報化社会である現代、
視覚情報が偏重されすぎているように思う。
心がモノをつくり、
つくられたモノによって心がつくられる。
建築物をつくる者として
社会の流れによって大切なことが見失われることがないよう
先生が述べられている、
常に自分自身の「心の在りよう」を見つめ、
正しいと感じる方向に住まいづくりを導いていく習慣をつけたい。
武田先生の哲学的な考察は新鮮で大変勉強になりました。
ありがとうございます。

2014年3月7日

左近の梅


あちらこちらで梅が見ごろを迎えている。
京都市内には梅の名所がいつくかあるが、
現在工事が進行中の嵯峨大覚寺の新築住宅のすぐ近くにも隠れた名所がある。
真言宗大覚寺派の大本山、大覚寺。
元は嵯峨天皇の離宮で、歴代の天皇(上皇)による院政が行われたこともある
皇室ゆかりの寺院である。

宸殿からの眺め

御座所の前には
右近の橘

そして、左近の梅

「桜」ではなく「梅」である。
通常、京都御所の紫宸殿前に見られるように
左近といえば「桜」が知られており
雛飾りでもそれにならって「橘」と「桜」を飾っている。

日本を代表する花として圧倒的人気を誇る桜。
現在「梅」も「桜」もうまい具合に時期をずらして
それぞれの美しさで人々を魅了しているが
元々日本では「桜」よりも「梅」が愛でられていたという
その歴史を現代に伝えているのがこの大覚寺である。
ちなみにここ大覚寺は映画『武士の献立』のロケ地になっており
見覚えのある風景(昨年の梅)は一瞬ではあるが映画予告編にも登場している。

2014年2月16日

利休にたずねよ


歴史時代小説『利休にたずねよ』の原作者で知られる
山本兼一さんの突然の訃報に驚いたのは先週末のことだ。
57歳の若さである。
山本さんは京都生まれ京都育ち。
私の高校の先輩でもある。ご自宅も弊社からほど近い。
山本兼一さんの代表作
『白鷹伝』
『火天の城』(松本清張賞)
『利休にたずねよ』(直木賞)
三作とも読ませていただいた。
丹念な取材により登場人物をいきいきと浮き上がらせ、
小気味いい場面展開、丁寧な話の進め方で
どれも惹きつけられる作品だった。
鷹匠や大工の棟梁など、
職人の情熱を丁寧に描いたこれらの作品は高く評価され
映画化もされている。
本日執り行われた告別式では
映画『火天の城』『利休にたずねよ』の監督
田中光敏さんが哀悼の意を述べられていた。
山本さんは数年前から病に犯されていたが
現在上映中の映画『利休にたずねよ』で
「最優秀芸術貢献賞」を受賞した昨年のモントリオール世界映画祭へは
ご家族全員で行くことができたそうだ。
まだ読んでいない山本さんの作品を
今後、一つ一つ読んでいきたいと思っている。
山本兼一さんは本の中でこれからもずっと生きている。

(告別式会場に飾られていたお写真より)

2014年1月28日

My music collection no.8


五嶋みどり(vn)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
マリス・ヤンソンス&ベルリン・フィル
世界的ヴァイオリニスト、五嶋みどりさんのCD。
日本の、というより世界の「MIDORI」、
透明感のある神々しいような美しい音色は聴く人を魅了する。
昨日、ロサンゼルスで発表された第56回グラミー賞で
五嶋みどりさんがソリストとして参加したアルバムが
最優秀クラシック・コンペンディアム賞を受賞したという嬉しいニュースが流れた。
同賞は昨年創設されたものなのだそうだ。
この受賞アルバム『パウル・ヒンデミット作品集』を私はまだ聞いたことはないのだが、
発表後は注文が殺到しているという。

こちらは
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
クラウディオ・アバド&ベルリン・フィル
残念ながら、指揮者アバドさんの訃報をつい先日聞いたばかりだ。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は私が最も好きなコンチェルトである。
そのコンチェルトを彼女が凛として艶やかに奏でている。
もう一枚、
五嶋みどり17歳の時のCD(パガニーニ: 24のカプリース)

そして隣は弟、五嶋龍の2005年のデビューCD(同じく17歳)
この二人の天才を育てた母、五嶋節さんもヴァイオリニストである。
彼女は女手一つでこの二人を育てあげた。
神童といわれた二人がいかに育てられたのか
壮絶な母と子の物語がこの本に記されている。

日本が誇るヴァイオリニスト五嶋みどりさん。
ソリストとしての今後の活躍を見守っていきたい。
個人的にはもっと日本のメディアに出てほしいと思っているのだが。

2014年1月14日

蔵出し


遅くなりましたが新年のご挨拶を申し上げます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。
さて、昨年の夏に仕込み
仕上がりを心待ちにしていた我が家の自家製梅酒が
元旦に晴れて「蔵出し」となった。
漬けてから半年、
すっきりした味わいで十分美味しい。
これからさらに深まる味をじっくり楽しむのも
自家製の醍醐味である。
漬かっていた梅も祝膳のつきだしの一品としていただいた。

今年も自分なりに厳選した食材で、お節料理はすべて手作りした。
その料理を家族と囲み新年を迎えることで
改めて土地の恵みに感謝する気持ちも生まれる。
ところで我が家でもう一つ恒例となっている
祝箸の「箸袋」をご紹介したい。

近くに住む私の母が、得意の「折り紙」で
毎年家族の分を一つ一つ手作りし、年末に用意してくれている。
しかも毎年オリジナルのデザインなのでおもしろい。
2013年(巳年の蛇)

2012年(梅)

2011年(卯年のうさぎ)

「手作り」から伝わる温かさ。
新年は毎年感謝の気持ちで始まるのである。
さて、一月もすでに中旬。
会社の新年会も終わり、
今週末は完成見学会、住宅見学バスツアーと続く。
みんなで力を合わせ、良い年にしていきたい。

2013年12月15日

美味探究 part22 -かぶら 編-


今が旬のかぶら。
行きつけの八百屋「ONE DROP」さんで
有機栽培のかぶら(京都大原産)を仕入れてきた。

早速、一つは漬物用にする。
葉と実を切り分けてそれぞれ袋に詰め、
塩をもみ込み一度水気を切ってから
酢と昆布だしを入れてしばらく味をなじませる。

簡単にできるかぶらの浅漬けが一品完成だ。

あと二品、
「粕汁」と「含め煮」を作った。

だしに使う昆布は
仙法志産利尻昆布

そして酒粕は
洛中の蔵元、会社からもほど近い佐々木酒造で購入した。

1㎏ 500円
粕汁が完成。

具材はかぶら、人参、しいたけ、ねぎ、そして湯通しした油揚げ。
隠し味に味噌を加えている。
含め煮も完成。

かぶらと油あげに、かぶらの葉を加えて
ねぎとおろし生姜をあしらう。
寒さが厳しくなるほど美味しくなるかぶら。
今日はその味わいを充分にいただいた。

ごちそうさまでした。

2013年12月2日

干し柿


先日お客様より手作りの干し柿をいただいた。
毎年庭の木に実る渋柿から作られている。
今年は豊作で、200個ほど実ったのだそうだ。
カビを生えにくくするために
お湯に10秒ほどくぐらせてから干されているとのこと。
市販のものにはない、みずみずしさがある。
今までに食べたことのない美味しさだった。
この柿からも深まりゆく秋を感じる。
ありがとうございました。

2013年11月26日

京都 紅葉の名所


京都では今、紅葉が見頃を迎えている。
先週末、左京区「永観堂」に行ってきた。

この日は天気も良く大変な人出だったが、
秋その真っ盛りの美しさに息をのむ。

赤、黄、緑、様々な色合いが美の広がりを創り出す。

さすがに名所、随所に見せ場があり、
多くの人が思い思いにカメラを向けていた。

水面にも紅葉が揺らぐ。

夕刻の陽の光を通した赤が目に飛び込む。
どんなに混雑することが予想されても
やはりこの季節になると多くの人を惹きつける。

京都が誇る秋の風景だ。

2013年11月12日

地元の酒


先日、祝いの席で日本酒をいただいた。
京都生まれの日本酒の注ぎ口を飾る布に
西陣織が使われている。

鮮やかな緋色が目に飛び込む。
この日本酒の醸造元が
洛中に唯一残る蔵元、佐々木酒造。

俳優、佐々木蔵之介さんの実家である。
感謝の言葉が添えられた地元の品が
受け取り手の心を温かくしてくれる。

Webからお問い合わせ 0120-296-481